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オフィス片山公式スタッフブログ「オフィス片山 マンション管理士&FPのページ」より、最新の投稿分をご案内します。
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高経年マンションをより長く快適に暮らして行けるようにするためには、
そして、そのマンションの管理組合活動を「楽しく」していくためには…。

 
この課題は、残念ながら、1人1人の区分所有者の方がじっと待っていたり、普段の役割があっても「めんどくさい」とだけ考えていても、残念ながら昨日より良くはなりません。
また、管理会社が、何か良い提案も持ってきてくれるのを待っていても、「待ちぼうけ」になって、請求されるものは払わないといけないという状況になるだけです。

そう、これは人間で言えば「うつ症」の状態と言ってもいいでしょう。

放っておけば、最悪は?
まあ止めていきましょう。前回等で書いたことのくり返しになりますから…。

しかし、目先の問題は、役員のなり手がいない、お年寄りのお宅で滞納が発生し、請求しても取れない状態になって、規約を考えていても、総会で3/4も委任状が集まらないから改正もままならない…。


まあ、いきなり明日からよくなる方法はありませんが、でも「待っている」だけでもいけません。
「何か」を「誰かが(一人だけではなく)」始めるしかないのです。

そして、あまり気力がない区分所有の方が、この始めた活動を安易に潰したり、否定したりすることを防がないといけません。それから、こういう動きに対して、そして、戸あたり月1,000円位までの資金を、無駄だと思わないで、自由に使えるようにしてあげるという意識です。
(もちろん使い道は後で検証はする必要があるけれど、別に「無駄」に見えるから、すぐに切ろうとしない、ということです。そして、これは別に使い切ることを目的にはしていません…)
まずこの環境がなければ、多くの区分所有者の方が、「組合員全員の利益」を、「長期的に」考える、ということができなくなってしまいます。

この傾向が、たとえば10年続いたら、そのマンションの将来は「管理不全」化がほぼ約束されてしまいます。そして、住民の多くは「ウチは、管理会社がしっかりしないから、仕方がないんだ」とあきらめて、あるいは「敢て次の役員に立って、管理会社を強引に替えてしまおう」という運動起こしたり…。

それから、何かのイベントの企画です。

別に、お祭りや飲み会のことではありません。
しかし、その小さな活動が始まった時に、飲み会や、お茶やお菓子がついていくことを安易に否定しないことです。(この「安易に否定」する人たちには、ある一部の、組織的にマンションの活動を牛耳って、できれば皆さんの資金をその(部外の)組織に上納することを考える人がいて、あたかも熱心なボランティアのように活動する人たちがリードすることがよくあって、それが真っ当に聞こえるもので、ハマってしまうことがあるようです)


そして、一つではなく、いろいろな、それも小さな試みから、そのうち、に絞って…。


そして、そのメンバーのみなさんが、フランクに、将来(5年後、10年後、20年後等、いくつかのラインを設定して)のマンションの目標と方向性を話し合える機会を自然に作ることなのです。

 
 

昭和の時代に、公団分譲の団地などに入られた方々は、皆さん自然にの活動をされていましたが、子供が巣立って行ってしまったら、なんだか忘れられたようで…。


でも、どういう環境のマンションでも、この時の意識が実は重要で、この活動が重くなったり、軽くなったりしています。


そして、いろいろな、「将来を話し合うグループ」ができればその次に、いろいろな展開が考えられますが、これは、この次に…。


でも、今のこういう活動への入り口は…。

簡単なのは「防災」と「子供」ですが…。

 前回、特に高経年マンションを中心に、住環境や費用負担の問題で長期的な展望が出来ず、結果的に管理組合運営に真剣にかかわれなくなっていることに触れましたが…
 マンションをこれから30年40年と維持していこうとするには、そこに住む人たちの多数(過半数では足りなくて、2/3以上位)が、自分達が暮らすマンションに誇りを持ち、そして、積極的に住環境を改善していこうという意欲と、そのためには管理組合の運営に積極的にかかわってもいいという前向き、というか「共助」意識の基礎を持つことが必要です。
 
 マンションの将来のことは管理会社が適当に決めてくれるから、自分達は目先の苦情だけ言って、あとは個人の目先の負担軽減だけを考えればいい(この負担は必ずしも金銭的なものに限りません)というところにベースがあります。そして、残念なことは、このベースの意識が、その時々の輪番の理事長が、目の前に出された、誰かが作った契約書に黙ってハンコを押してしまうことにつながるのです。
 その結果、修繕積立金の大幅な値上げなど、区分所有者のみなさんにとって苦痛となる議案が、総会で多数の委任状に従って賛成多数で簡単に可決されてしまうのです。もともと多くの区分所有者の方は、総会議案なんかは真剣には読んでいませんから。
 そして、前の輪番の理事長さんは、議場で初めて、その議案の持つ重要な問題に気がついても、現実には、ここに上程されたことへの責任を負うことが嫌だから、管理会社側の言いなりで平穏に可決し、役員任期を終えようと考えてしまうのです。
別に、人間として当然の行動なのですけれど…。
 
 当然ですが、区分所有者の中に将来管理組合の理事に積極的に手を挙げていいかな、と考えている人がいたら、こういう総会に出席したら、多分、その組合の役員に…という意識は瞬時に飛んでしまって、ここにいてもしょうがないと感じてしまいますよね。
 もし手元に資金があれば…急いで他のマンションに越して行こうというように考えるかもしれません。

この傾向が、たとえば10年続いたら、そのマンションの将来は「管理不全」化がほぼ約束されてしまいます。そして、住民の多くは「ウチは、管理会社がしっかりしないから、仕方がないんだ」とあきらめて、あるいは「敢て次の役員に立って、管理会社を強引に替えてしまおう」という運動起こしたり…。

 でも、組合員の意識がはっきりしない管理組合の業務を、どんなに素晴らしい管理会社が引き受けたからと言って、ほぼ各組合員が求めている条件や価格を飲んでくれる保証はないというか、絶望的な期待になってしまいます。
 そして、多くの区分所有者の不満と絶望に繋がってしまい、管理組合内での変な勢力争いや、さらなる責任放棄に繋がったり、より深刻な事態に進んでしまうのです。
 
 このような状況に陥らないためには、各区分所有者の皆さんに管理組合の活動に積極的に加わってもらうしかないのです。私のようなマンション管理士としても、「良くなりたい」という意識と、ある程度の方向性を示していただけるマンションでないと、支援することは困難になるのです。
 
 では、マンションの中で何をすれば…。
 それは、「管理」の問題に取り組むことを「楽しい」こと(決して「楽(らく)」に、ではなく)にしていくことなのですが。
 
ここからは次回に…。

 高経年で居住者が高齢化したマンションの今後の「持続」というか「継続性」の問題が次第に重くなっています。

 建物設備の健全な維持の不安、役員のなりて確保、高齢者の見守りや居住する子供のケア、そして災害時の対応など、一番大きいのは維持費用の負担の増大‥このあたりの2~3つに当てはまるようだと、今問題になっている「管理不全マンション」あるいはその予備軍となってしまいます。
 ただ、多くのマンションでは、このような課題について任期が1~2年の理事会で、一つづつをそれぞれ別の課題として捉えて論議したり、あるいは、管理会社の提案を待っているだけだったりという状況になっています。また、費用負担の問題については、ただそれぞれの区分所有者の問題であって、管理組合では一定割合の区分所有者にとって無理な負担であってもただ値上げの総会決議を通しさえすれば、と安易に考えています。

 多くの管理会社も、この方向に走る管理組合を後押ししているようです。
そして、ここの区分所有者のみなさんも、多くが、この傾向を仕方ないものととらえているようです。
 この結果は、たとえば、築40年を越えたマンションで、窓サッシの更新工事をペアガラス化で計画する場合でも、この提案の際に、「うちのサッシはまだ壊れていない、高額の費用(戸あたり100万円程)を負担して、全体の工事は必要ない。お金があるのなら修繕積立金を下げろ」と大声で言ってしまう区分所有者もかなりの数でみられるようです。
 そして、これが怖くて、その時の理事会が、管理会社がひるんでしまっていることもあるようです‥。
 
 ですが、こういうことを言っている方の部屋でも、サッシの劣化は進んでいて、閉じていてもなんとなく隙間風が入って来たり強風が吹けばカタカタと音がしたりしているのです。ただ、開閉は(重くても)できて、出入りにも支障なく、というだけという実態だと思います。

ただ、そのマンション内の一部の部屋では、サッシの状態がもっと深刻になっている場合もありますし、残念ながら、築50年前後になれば、かなりの部屋でサッシには不具合が出てきます。


 その時になって工事をすればいいって、ほぼ全部の部屋で具合が悪くなるまでは、それは70年~80年とかかってしまうでしょうし、いま70歳代の居住者が、「20年後にサッシを快適にしますから、毎月1万円づつ積立金を積みましょう」って言われても、当然に賛成なんかしてくれませんね。
 
 でも、こういう問題を「うちのマンションにはないこと」として、毎年の理事会が申し送っていく体質があるからこそ、そこには、「役員なんかやりたくない」「どこかいいところがあったら賃貸でもいいから引っ越そう」とか考える区分所有者が増え、そして、全てを管理会社のせいにして逃げようという雰囲気になるのです。
 こんなマンションに「長寿命化」と言っても、近い将来にそこに住む人がほとんどいなくなることくらい容易に考えられますよね。こういう問題について、これから何回か、書いていきたいと思います。

 最近の訳が分からない忙しさで、3カ月ぶりにやっと投稿の時間を作ることができました…。
 
 ここ数年、いろいろと高経年の、区分所有者、住民が高齢化していると言われる郊外型団地の「長寿命化」の問題にかかわっています。そして、長く続くコロナ禍の影響もあり、この団地の問題の複雑さがより実感できました。
 最初は、建物設備の問題からでした。
そして、その維持費用の高騰、バブル崩壊以降の景気の停滞、それに加えての少子高齢化の進行…そして近年は「合意形成」の課題がクローズアップされています。

 数年前には、マンション管理の世界には「コミュニティ」は無縁なこと。財産(換金できるもの)の管理には人の心はいらないというような私としては「愚説」と感じるような話がまかり通っていましたが…。
 もちろん、この話には説得力はありました。しかし、それは、上記の様々な課題を、それぞれ別の課題として、別の人たちが論じてきたということに現実との乖離を生む原因があったと感じます。
 
 例えば、これが一つの(事業)会社だったとしたら、営業(販売)と仕入れ、経理と、管財、そして人事が、全く独立して、同じ「コストカット」に挑んだとしたら…。そして、それぞれの担当役員が決裁権限を持っていて、それに従って社長が事業方針を決裁したら?これが数年続いたら、きっとその会社は間違いなく潰れてしまいます。
 
 それは、…
基本的に、収支バランス、というか事業全体においての事業の収支の連環の中で、そのコスト負担の必要性を考えないといけないのに、個々の課題だけを捉えたら、そこには、結果的に、人件費の高騰と人手不足と、仕入れ価格の上昇と、売り上げ不振に、多分陥ります…。

 まあ、これは、基本マクロ経済学と、経営学(基本的には総論)を眺めれば自然なことです。
 
マンション管理の世界では、もちろん営利企業ではありませんが、人の「経済的な」組織であることは、一般の企業と変わりません。
 そこで「個人(一人ひとりの区分所有者)の利益」を追求して、物事を「分権化のルールの下で決裁」し、そして、中期的(3~5年)にもその時の権限者(管理者=理事長?)は責任を問われない、とすれば、その呼応経年のマンション(団地)はどうなるでしょうか?

 答は簡単ですね、10年ほど先には、「痛みを伴う解消」を論じないといけなくなってしまいます。
 まあ、個々の区分所有者がどういう行動を取ろうとするか、まあ、沈みゆく豪華客船と同じです。もちろん救援はありません…。
その中で、生き残るにはどうすればいいのでしょうか?
 これは、30年前から日本の各地域の古い村落が経験してきたことを参考にするしかありません。郊外のマンションは、ただ、30年ほど遅れているだけです。そして、もっと悲惨なのかもしれませんが…。
 もちろん、これは、以前、かの松本先生のご主張の延長にしか過ぎないことですが…。 先日の、マンション学会(WEB大会)で、発表の機会をいただき、その記事を、新聞に取り上げていただきました。
 管理組合のリーダーたちの平均余命を超える、ずっと先の期間のマンション(団地)の在り方を、「合意」することは、実は、きちんとした「組織の利益」を考えられないと、本当に難しくなります。でも、残念ながら、将来、悲劇になっても、もう「決めた人」の責任を追求はできません…。
 多くの高経年団地にお住いの皆さんが、この罠に落ちないことをお祈りします。


LinkIconマンション管理新聞2020-12.pdf《ボタンをクリックすると拡大表示されます。》

 前回、滋賀の老朽化マンションの行政による代執行の完了について触れました。
確かに、アスベストの問題はあったかもしれませんが、築40年以上のマンションでは、決して他人事ではありませんね。
40年以上の高経年マンションに住む人たちの「高齢化」は、間違いなく進行しています。特に区分所有者の高齢化(65歳以上の割合)は、余程立地の良いマンションでなければ、単純に経年数に%を付けたより多くなっていると思います。
 
 一方で、「このマンションは80年は建替えせずにしっかりと維持していこう」と、例えば総会で決議したとしても…。
70才の区分所有者でお子さんはもう独立し、自分の居を構えている、としたら、この区分所有者の人は、現実に自身のマンションの40年後の姿を思い描き、そして、何かを期待することができるでしょうか。当然、「あと10年から20年ここに住めれば…」ですよね。そして、そこが空家がポツポツと出始め、売り物件がなかなかまとまらないという状況になっていたら…。

 正直その区分所有者にとっては、「正直30年先はどうでもいい」でしょうね。

さらに、年金受給の方も増加していますが、その方々の収入は、当然に「現役時代の6~70%あればいい」ですね。
まだ働ける方は、それなりに時間とお金がありますが、少々体が弱ってきて、あるいは一人になって遺族年金だけでとか、そうなった時の生活の設計はどうなるのでしょうか…。
単純に「修繕積立金の値上げ」には反対、一時金は「払えない」の一言ですよね。
 
 この状態で、これからお金をかけて、「窓サッシを更新しなければ」と言っても可能でしょうか。もちろん、前に作った長期修繕計画には折り込んでありますよ、5年後に戸あたり50万円の一金で、とか…。
ということで、この実現は可能でしょうか?

 確かに、「お金を借りてきて実施する」という選択肢はありますが、そのあとの修繕積立金の積立予定が、返済をまかなえるだけなければ、現実には工事の実施は不可能ですね。
 そして、これをいくつか繰り返したら、残念ながら「管理不全マンション」の仲間入りですね。
それも間違いなく、多くの高齢の区分所有者の皆さんが生きておられるうちに…。最悪は、危険建物として行政の行政代執行による撤去。区分所有者の方々は結果路頭に迷われることにも…。
 
 さて、これを避けるためには、
マンションで、自分たちがちゃんと話し合って、責任を持って「管理」を行わないといけません。「楽(らく)」ではなく「楽しく」。
そして、20年後30年後でも、少なくとも「流通ができる」マンションとして維持しないといけないのです。
そうすれば、処分もできますし、採算を見込んで、既に自分の家を持たれているお子さんでも、引き継いでくれるでしょう。
 
 では「そのためには何が必要か」と言えば、
「合意」とは言いますが、現実には「将来の財源」の確保以外にはないでしょう。
資金のメドが立てば、「健全な維持を行うための改修工事」への合意は容易にできますが、もし不足額が大きければ…「幻」ですね…。ここでどのような考え方が必要になるのかは、次回の記事で書きたいと思います。

この半年…
コロナ問題の中で、どうマンションの管理をしていくか、
どう管理組合を運営していくか…。
役員でない人も、自分のマンションは大丈夫だろうか…と、いろいろとお気遣いされてこられたことと思います。

でも、コロナ禍に無事に耐えられたとしても…数年前から言われている「管理不全」マンションの問題は、消えてなくなったわけでも、このコロナ禍が収束するのを、立ち止まって待っていてくれるわけでも、もちろん、何もしないでマンションがリニューアルされることも当然、ありませんね。

「まだ『管理不全マンション』じゃないから大丈夫」ではありません。前にも書きました。
『管理不全マンション』と言われるようにならないよう、しっかりと管理して行かないといけません。
でもお金をかければいいわけではありませんね。

そして、「築10年だから関係ない」ということでもありません。
あと20年ほどしたら、立派な高経年マンションですよね。
そして、多くの区分所有者の皆さんが、年金生活者となられるのでしょうね…。
 
ということで、一つ、不安な記事がありました。
今年の始め、滋賀県で、一棟の老朽マンションが行政の代執行として解体されることになった、と…。
 
そして、先週のことです。
この行政の代執行(解体工事)が完了した、ということです。
 


滋賀県の9戸のマンションでした。
1972年築(築45年超)、鉄骨造り、3階建
十分な手入れがされず、住む人もおらず、危険建物として指定され、行政からの撤去勧告を受けていたとか…。
LinkIcon 老朽化空きマンション解体、滋賀 行政代執行が終了
 
お分かりかとは思いますが、解体勧告を受けたからと言って、簡単にはいきません。
区分所有建物ですから、「解体」(=解消)は全員の合意が必要で、その費用は、露出のアスベストがあって…、ということもあり、当初から1戸あたりの費用負担の見込みは 1000万円以上…。
もちろん、売却広告を出してもこの物件は誰も買ってはくれませんね。

そうです。結果として、この行政の代執行に至る以外の方法はなかったようです。多分、この区分所有者だった人たちには、「最悪」の結果だったのですが…
(もちろん、全国でもこのような前例はなく、このマンションの所有者の皆さんにもイメージは湧かなかったのでしょう)。
でも、戸建てだから大丈夫、というわけでもありませんし、今のマンションも「売り抜ければ」と、安易に考えてもいけません。
現在、「住宅」は余っていますし…。
今後の少子化傾向も収まる見込みもありませんし…。

この記事によると、結果として掛かった費用は11,800万円、1戸あたりでは、1,300万円以上。
解体費だけでですが、多分、地価もそこまで行かないでしょう。これが、自治体から各戸の所有者だった人に請求されるそうです。

もし、皆さんがこの物件の所有者だったら…(もちろん、この年数ですから、自身で買われたのではなかったかもしれませんが…)どの様に対応されるでしょうか、一度考えてみてください。
(もちろん、結果でなく、10年前に…、ということも含めて…)

とりあえず、今日はこのあたりで…

コロナ対応も早半年ですね…。
緊急事態宣言解除からはや1ヶ月、町には賑わいも戻ってき始めた感じもしますが。
 
マンションで生活されている皆さん、
生活のスタイルに満足し、安心できる様になられたでしょうか…。
3月から4月、どうにか感染しないようにと…
会議やサークルの活動は止め、共用施設の利用を禁止し
でも、これなら安全だろうという保証もない、落ち着けない毎日だったと思います。
 
一番怖かったのは、マンションの中に感染した人はいないのかという不安で、エレベーターにも乗りたくない日々で、中には、管理会社に日常の清掃も取りやめとか…
それでも自宅に籠ることが一番と信じて…
その不安も、すぐになくなるはずと…。
 
で、皆さん、いかがですか…
短い時間だったかもしれませんが、人のつながり、地域のコミュニティを否定して…「安心」「快適」な生活が遅れたのでしょうか…。
マンションの中の、組織の意思決定、情報の交換。ちゃんとできていたのでしょうか。
でも、国も地元の行政も、これを「禁止」したわけではなく、すべて「不要不急」のものは「自粛」してください、そしてその判断は「自己責任で」でした。


その一方で、近隣での感染者発生の情報は秘匿されつつ、もし感染者があれば、消毒等はその建物の管理者で判断して行ってください。でした…。
 
そうです。必要な「会議」は開催し、感染者の発生状況等は行政と折衝して何とか得て、管理組合で必要な対応をすることが求められていたのです。
 
そして、今一番の課題は、日常の活動の「再開」です。

現実に、新たな感染者は発生し、一方で、テレワークも限界、多くの業種で収入も低下して苦しんでおられます。「密」のみが感染の原因でもなく、思ってもみなかった(経路不明の)感染も怒っています…。

まあ、昔からの感染症と同じことです。
まずは、会議、会合、これは、積極的にWEBを活用して、もちろんできない人には配慮して(「出られない人がいるから議決は無効」とか言ってられないです)自分のマンションの「合意」のスタイルを作らないといけません…。


コロナ禍の中での生活を続ければ当然生活が破綻します。
収入の問題だけではありません。新たな生活様式と言っても、それは「自己責任で」です。
必要なことは、マンションの中で、地域の中でのコミュニケーションの手段の確保です。
ネットで飛び交う「一番…」をまねるだけではいけません。
それは、物事を一面からしか見ていないからで…そこから結果としてフェイクが生まれてくるのです…。
 
よく考え、手段を選びながら近隣との適切な距離を持ちつつ心地よい関係を続けること、まあ、一人だけで考えず、相談できるところもちゃんと持っておくことですね…

残念ですが、人は一人で生きられるものではないですから…。

緊急事態宣言は全国で解除されました。
そして、人も、社会も、経済も少しづつ動き始めました。
人と経済はこの2か月間いろいろと論議されましたが、こと「社会」については「距離」以外では何も話題がありませんでした。
おかしいですよね。本当は感染防止にも、ここが一番大切なことなのに…。地域の、そしてマンションでの適当な連帯感と安心感があってこそこういう感染症も克服できるのですから…。
 
で、本題です。
こういった感染症問題とか、地震、水害などの危機の時に、どう、マンションの管理組合や地域(団体)として、メンバーの情報共有(当然「正しい」ものです)や、合意形成、適正な作業分担を決めていくのでしょうか。
 
手段は、いろいろ提案されています。
LINEを使った連携、テレビ会議、など今回、確かに相当普及したようです。
でも、まだ多くが書面会議による意思決定と掲示板での伝達をメインにやられているようです。
もちろん、マンション管理組合の総会でも「ちゃんとやったよ」と言われるところは多いでしょうが、今年は、理事長と次年度の候補、それに役員等数人で開催し、議決権行使書ベースでの成立での少人数参加の形でやられたところが多いと思います。
 
もちろん、日ごろから住民間のコミュニケーションがしっかりと取れているところでは、1年くらい別に問題はないでしょうし、役員のみなさんとかの信頼も傷つかないとは思います。
でも、これは「審議」ではなく「採決」だけですから、十分な事前の広報とかの活動がなければ、法的には十分でも、組織の中では意味をなさないものになりかねません。
総会では、さすがに、マンションの理事会や管理会社提案で、規約の改正(軽微なものを除く)とか、長期修繕計画の見直しを、まあ住民説明会も(コロナで)開かず、この少人数総会で決めたというところはないでしょうけれど、もしあれば、将来、大変なことになるかもしれません。

理事会など、本当に審議、意見交換が必要な会議は1~2回は流してもいいのかもしれませんが、いくら会場が取れない、出席したがらない人が多いとか言って、ずっと流して、業務を管理会社や、理事長の専決で続けていてはいけません。
 
決議は?
全員のものが揃うのであれば、書面決議もできますが、これは「決議」であっても「審議」ではありません。
 
ここでは、テレビ会議(WEB会議)が一番手ごろなのでしょう。LINE、ZOOM、SKYPE、…有料のものならもっと機能や効率の良いシステムもあります。これらの会議システムは、ホスト(議長役が多い)はそれなりに大変ですが、参加するだけの側なら簡単です。
スマホ一つでもいいですから。
 
ても、ここでも、自分では参加したことがないから、とか言って抵抗感から実施に反対したり、実際に操作ができず入れなかったりで、結構うまくいかなかったりするようです。
 
このテレビ会議ですが、別に必ず一人が1台の端末を持つ必要はありませんし、操作が全くできない人が加われないというものではありません。そこは工夫次第で、会議室に数人いて、プロジェクターで映像を写しながら(ここでは端末は2台以上と考えてください)一つで、ミュートにして全体を映し、もう一つの端末は回して、発言用にするとか、そして、会場に出られない人は、それぞれが端末をもって参加(もちろん、どこかに2~3人集まって1台でも…)とか、とりあえず、みなさんの声が同時に参加者全員に届き、できれば顔(存在)が見えていればいいのですから。
そして、これは、地震などの災害の際にも(通信機能さえ確保できれば)相当に有効なものです。マンションだと物理的に数日帰ってこられないという人がいても、少なくとも合意形成を止めずに進められるわけですから。
 
そして、重要なことは、
「災害になったら使うんだ」といって途中一切忘れてしまうと必要な時にトラブルになりますので、年に数度はテストというか、オンライン飲み会でもいいので、適宜つないでみておくことです。
もちろん全メンバーでの必要はありませんが、全メンバーが自由にテストをして、いつでも参加できるようにしておけばいいのです。もちろん、画像だけではなく、年数度でも実際に顔を合わしておくことでよりスムーズに動けます。まずは、マンションで、団体で、心がけてみてください。
 
ということで、このテーマ、あと1回位でしょうか…。

今まで書いてきたこと…
 
コロナ禍で、感染が広がることを防ぐために、できるだけ接触を避けることが求められている。

ただ、ウイルスは簡単に消えてなくなるものではありませんのでこの対応をいつまで続ければいいのかわからない。

もちろん、家の中にずっといれば感染しないわけでもありません…。耐えられる期間にも限界はあります。

更に、特定警戒地域では、現状解除見込みも立っていません…。
また、マンションの管理や、地域のコミュニティ、色々と課題は発生してきます。
顔を合わさないでも済むものはいいのですが、そうでないもの、課題を先送りすればすむものではないのです。
特に地域内の問題だと、現実には、課題を先送りしたことで、重大な局面になるとしたら…。

その責任は国にも行政にも、三密を無くそうというお医者さんも、誰も責任は取ってはくれません。「解決」もありません。

そして、それで放っておいていいわけではありません。
 
国も行政も言っています。
「不要不急の外出は避けてください」
「不要不急の会合は取りやめてください」
「不要不急」って誰が決めるのでしょうか、
そうです、自分たちが判断するのです。そして…
必要な会合は開いて、必要な共同作業もしないといけないのです。

その「決めるため」の機能は動いているでしょうか…。


実は、この機能が動いてないと、このコロナにしても感染のリスクは減っていかないのです。

たとえ、今感染していないとしても、ただ、耐えている時間を引き伸ばして、不安を高めているだけなのです。

 

これは、日ごろから、近所の人、同じマンションの人、もちろん全員とでなくてはいいのですが、ちゃんとしたつながりを持っていたら…。

そして、メールでもスマホでも、意見交換ができていたら…。 すぐにでも、顔は合わさなくても、情報を交換し、やるべきことを決めることはできます。
 日頃から、周りの日を信じられなくて、あるいは「めんどくさい」と感じて、この関係を作ってなかった人だったら…。 当然に、正しい情報も、必要なサポートも、手に入りません。
確かに、こういう時に、この人たちは、突然に、管理会社や、組合の役員や、あるいは行政にクレームだけ言ってきます。
でも、残念ながら一切応えてあげることははできません。
そして、そのまま時間がたてば… マンションも、地域コミュニティも、必ず壊れてしまいます。
 
昨年来の水害の報道などでの映像を思い出してください。
あの時に、家の屋根に一人取り残されて… でも、今感染症問題では、 あの時のヘリのようなものはありません。
正しい情報がなければ、何年も人との接触を断ち、耐えていかないといけなくなるかも知れません。
将来、生きていればテレビの取材があるかもしれませんけれど…。

そして、まずは、日ごろからマンションでも地域でも、近くに住む人たちの何人かと、そして、その役員の方の1人以上と何らかの交流を作っておかないといけません。
もちろん、顔を合わせて、面白くない会議をやることとは違います。LINEの友達でもいいです。
でもお互いが見え、その接点や話している内容が広く一般に公開されてない状況でないといけないのです。

そう、メンバー間で正しい情報が保てる関係… これが、必須です。親密さと信頼感ですね。
ちゃんとありますか?
そして、それがいくつかつながることで、その地域のほぼ全員をカバーする。地域の役員さんの腕しかありません。
マンションの管理会社ができるものではありません。
もちろん国会議員だって…。
この環境があることで、WEB会議の合意形成も、自宅回りの清掃も、必要なことは手分けをして、最小の負荷で環境を維持して、決めなければいけないことも満足かどうかは別としてとりあえずはまとめておくことができるのです。

書面での意見交換は、正しく決めることはできません。
掲示は? 
当然に一方通行です。

その中で、WEB会議については、今は、正式な会議として常識的に認められています。ただ、物理的に参加できない人が居なければなのですが…。
この具体的な手法などを、次回に…。

さて、このコロナ禍の問題で何が?
「管理組合」だけの問題ではありません。自治会・町会があれば、また、他の地域活動の組織があれば…
基本は同じ問題です。


多くのマンションでは、「自分のマンション、団地にはまだコロナ感染者はいない」という前提でいます。

一方で、その住人一人ひとりに対しては、自分が、ではなくて、その相手が「感染しているかもしれない」、として当たろうとしています。

その結果が今の対応ですね。

人が集まることは一切しない、集会ができる場所は閉鎖する、…まあ消毒薬位は用意して、あとは管理会社さんお願いします。
じゃないですか?
 
さて、この前提では普通の住人の方は、当然、マンション内に何人かの感染された方がいて、管理組合の方、管理会社の方、
あるいはその他組織の役員の方は知っていて、でも隠しているんだろう、って、疑心暗鬼になってしまいますよね。もちろん、みなさん表向きは平静を保たれているでしょうけれど…
で、何かあったときにはどうされます?
本当に感染者の方が発生した、あるいは、よく来られている宅配の配達員の方が…とか、風の噂で伝わってきたら…

本当だったら、マンション・団地内でクラスター発生かもしれませんね。どう確かめます?そして本当に被害が出たら、だれの責任になるのですか?
 
行政?⇒ ✖️、管理会社?⇒ ✖️、町会長さん?⇒ ✖️
法的には別として、責任者なしではすまないですね。もちろん、管理会社は、窓口の管理員さん、清掃員さん、などマンションで仕事をすることを拒否されます。
でも、組合としても他の組織でも、受けるしかないですよね。どうします?

その前に開催予定だった理事会、役員会、場合によっては総会、人が集まることはできないから中止、できるようになったら…で済むのでしょうか。でも、多くはそうされていますよね。


もちろん、ここでは、一般に理事長さん(管理者)が一身に責任を負い、指揮をして、ちゃんとみなさんの協力のもとで消毒から始まって、各種作業の手配、その他すべてをやらなくてはなりません。コロナ禍が収まったら、じゃないですよね。

でも、日頃からの準備と打ち合わせがなければ…ですよね。でも、理事長さん一人にできることではありません…。


備えておくには、いろいろな会の理事会、役員会は、常に実質的に開催できることが必要ですね。もちろん、一堂に集まる必要はありません。


まあウェブ会議が開ければいいのですが、まあ、理事長さんが適宜、関係のみなさんの意見を、電話、メール等でも(後始末が必要なこともありますが)いいですからまとめて、常に合意と役割分担ができるようにしておかない限り。


そして、広報担当の情報の管理(伏せるのではなく、必要なところへの情報開示)を行えない限り、安心も安全もありませんよね。


今までの「防災」では、感染病を想定されていた管理組合、自治会等の組織はなかったはずです。


問題の状態になったときには、もちろん、迅速、適切な作業が必要です。
(そして、自治体も、管理会社も、教えてはくれません。もちろん、普通の窓口では知らないのですから…)


幸運にも、今回感染者がなかったマンションでは、これを、再発時の訓練だと思って、対応してください。まあ、あとは、日ごろから行政にいろいろな接点を持っておくか、専門家等にいつでも聞ける窓口を持っているか、この点が重要になりますので。


今日は、この辺りで…

コロナ禍の中で、マンション(管理組合等)として決める必要があること。
当然ですが、国や地方自治体が示してくれるわけではありません。
今回は、このことについて…


会議室、キッズスペースなどの共用部分の使用を禁止しました。玄関に消毒用アルコールを置きました。理事会などの人が集まる会議は中止しました。~多くのマンションでは、これで対策はおしまいです。

大丈夫でしょうか??


まず、前提として、マンション内には感染者はいない、これからも発生しない。
それでマンションを守るのなら、それから、定期総会開催時期でもなく、工事関係など急いで決めることが何もないというマンションでは、これで耐えていてもクレームはないかもしれません。ですが…


東京都では感染者数が2,000人を超えてきました。
人口比では5,000人に1人くらいですよね。そして、特に体調に異変を感じていない普通の方々は検査すら受けてない状態でですよね。
外国と違い、日本では1月から、もう3か月以上感染の問題は続いています。まあ、「移す」心配のない人も含め、もう少し感染者は多いはずですよね。
そうです。数百戸のマンションでは、確率的に、1人や2人の感染されている方がマンションの中におられるとしても間違いではないですよね。
あるいは、これから、マンションの外で感染してウイルスを持ち込まれる方も発生する可能性があります。情報もなく、「気をつけましょう」ですまして良いのでしょうか?


でも、先ほどの前提なら、
そうですよね。あとで異変があったら、管理組合の役員の皆さんは突き上げられることになりませんか。管理会社のせいにしてしまえばいいのですか?

違いますよね。
困るのはそのマンションに居住されている皆さんですから…

まず、感染者の情報です。
勤務先(大手であれば)とか、クラスターの原因の店名などは公表されるようですが、原則住所は公表されていません。普段通っていたクリニックでも、その先生は知っているのでしょうが、公表されていませんよね。
外国からの帰国の状況も含め、管理組合(管理会社)もつかめてはいませんよね。これで、その後、「マンションのエレベーターが原因らしいクラスターが発生」とかがニュースで流れると…
もちろん、マンション名は公表されないでしょうが、保健所とかが調べに来られるでしょうから、その時には、後の祭りでわかるでしょう。実際の感染が始まって、1~2週間後のことになりますが…。管理組合が「知らなかった」ですみますか?数十人単位の感染者になっても?


まず、マンションの居住者についての感染者情報や、外国からの帰国の状況などは、管理組合として把握しておく必要はありますね。日ごろから、アンケート等行っているマンションなら、今回、外国から帰られた方、とか、体調の問題を抱えている方とか、匿名(棟やフロアくらいは表示してもらう)で調べることもできますよね。
それから、地域の民生委員の方とかには、当然に感染者情報はつたわっていますし、その関係ができている場合には、把握もできるでしょう。
それから、ですが、管理組合として、ちゃんと情報収集と管理ができるようにしておかないといけません。理事長さんひとりでできることではないのです。そして、マンションごとに個別の対策を決めなければならないのですが、「会議室使用禁止」「理事会開催中止」で、いったい何ができますか??


ということで、この場合は、ネットの会議システム等で、一つの部屋に人が実際に集まらなくても会議が成立するルール作り、そして、組合内のセンシティブ情報の管理ルール等、決めておかないといけませんが、こと、災害とかこのような感染症の際でないと具体的に動く方法、内容を決めないと、事前に想定してもできないことしか決められなくて当然なのです。
そして、事後になって、一部のクレーマー組合員から突き上げられて、大騒ぎになり、あるいは訴訟問題となって組合側が負けてしまうこともあるのです。まあ、具体的には個別のセンシティブな問題ですが。
そしてこの、いわば管理組合としての「責任逃れ」が、震災等の大災害があった場合「復旧のための給付金がもらえない」とか「復旧工事に着手すらできない」という問題になってくるのです。クレームを言う人は「後のこと」ですから何でも言えますが、結果住民全体の足を引っ張ってもなんの責任もありません。

それを、避けるためには、管理組合の日ごろからの緊張感と、住民間の意思疎通を円滑に行える体制づくりが必要なのです。その上での、管理組合(今回の場合は町内会・自治会等も)なのですが…
続きは次に…。

コロナウイルスについては、東京都他に「非常事態宣言」が発令する事態となりました。
そして、感染者が見つかる事例数も急増しています。
それも、多くが「感染経路」不明とされています(当初ですが…)。
しかし、実は、それ以降の情報は開示されていません…
マンション(管理組合)においては、「三蜜」は避けましょう、と広報しました。
人が集まる施設は閉鎖したし、会議は中止にしたから
これで「当マンションは大丈夫、安心です」…これで完璧です。としているところが多いようですが、本当に大丈夫でしょうか?
ここまで、前回書きました。
 
何が問題なのか?
まず、「自分のマンションには感染者はいない」
「人のマンション内での接触を断っているから、
   新たな感染者は入ってこない」
だから、住民が我慢していたら、そのうち解決する。
このHAPPY ENDを前提にしていませんか?
ということです…
まず、このコロナ禍、実は、いつまで続くかがだれにもわかりません。現在の感染者の把握状況も、公表されているものは決して最新のものではありません。

必要なことは、まず…
◎現状の、最新のマンション内の感染者の有無(状況)を把握すること
◎もし、感染者が居住者内に発生したらどういう対応を取るのか
◎必要な「情報の共有」をどうやって行うのか
これらのことをちゃんと決めておかなければいけません。
そして、例えば2020年度に大きな工事を予定した場合、その準備や進捗をどう進めるかの問題もちゃんと協議しておかないとあとで大変なことになります。ただ、延期すればすむものではありません。

来年の工事にすれば、費用が大きく上がることもあって、…内定自体を業者側から取り消されることもあれば、この状況ですから事業者も仕事を続けることができなくなってしまうこともあります。

総会は?
4~6月に開催されるところが多数ですが、本当に開催できるのでしょうか?
もしできなかった場合、どう対応すればいいのか?
これらのことは、「黙っていても管理会社がやってくれるから…」「ちゃんと行政からの指示や連絡があるから」期待してはいけません。あとで「理事長さん、どうしましょう?」って聞かれるだけになりますから。
もちろん「管理組合」だけではありません。防災組織や町会・自治会だって事の重大性は別として、同じ問題を抱えています。
 
これらを、すべて「安心」にできるには、実は、この機会に、よく話し合って、マンションの中で話し合ってマンション内での方向性をちゃんとまとめ、広報しておかなければいけません。
(もちろん、正式な理事会開催でなくてもいいかもしれません。その時のために「管理者」の制度が決められているのですから。そして、そこはそのマンション内の文化なのですから)


例えば、マンション内で感染者が出たらしい、とのうわさが出たら、エレベーターは感染リスクが高いと言われていますが…例えばタワマンで、「エレベーター使用禁止」なんてできますか?低層階の人は、「すぐに実行するように」と当然言いますよね!
まずは、管理組合の中で、会議が開ける(準、でもいいです)ことの体制作りです。(今の時代、法令できちんと決められている場合を除き、別に、全員が一つの部屋に入らないと「出席」に扱えない、なんてことはありません)会議は、複数の会場で同時開催も可能ですし、ネットを活用したものも可能です。「誰かできない人がいたら」まず誰かが言います。そして、多くがあきらめて、すべてを停滞させてしまいます。

実は、仙台で、熊本で、震災復旧に関しても多くのマンションで問題になりました。あまり大きく取り上げられてはいませんが…。

このコロナ禍も近いものがあります。せっかくの機会です。まずは、マンションで役員を中心に話し合い、正しい情報を共有できるように、「話し合いを行う」場所(ルール)を作りましょう。



どんなことを決めるのか、何をすべきなのか…

これは、その次に、しかし至急に決めることになるのですが、次回に…。

今年の初めから続いているコロナウイルスの問題でみなさんも非常な不安を抱えられておられると思います。もちろん、そこで生活されている方で、今後感染しないように、とかには、国や各自治体の広報や、多数のメディアで「注意事項」が多く出されています。
「不要不急の外出はしないでください」
「換気は十分に」
「適当な運動の為公園等で体を動かすことは必要」
「多くの人が集まる所へは出ないように」・・・
一つ一つの注意事項は確かに正しいことなのですが、これらは、当たり前ですが、近くに感染されている人がいないことで、そして、自分が感染しないための事項ですよね。


では、もし近くに不幸にも感染された方が出たら、あるいはごく最近、海外から帰国され感染している可能性がある人がおられたら、どういう対応したらいいのか、現実には何も示されていません。当然に疑心暗鬼になりますよね。毎日感染された方の数は公表されていますが、お住いやお名前は分かりません。当然ですが…。


これから、「マンション」の話です。
東京近郊、阪神間の各地域のマンションに住まわれている方には、日常の生活に関わるこれらの注意事項にどう対応されていますか?
当然、自分の住んでいるマンションには感染者(疑われている人も)はいない、そして自分や家族も感染していない、これを前提に、前記の各注意事項に従うしかないですね。

ここでの課題です。
「自分の住んでいるマンションに感染者、疑義者はいない」という情報の裏付けをどうやってつかむのでしょうか。実は、日頃の余程住民間の交流が進んでいるマンションでない限りその情報は入りませんよね。
一応は、今発表される感染者はまだ人口比極めて小さいです。多分公表された感染者はいないと判断してもいいでしょう。


でも、これは実は1~2週間前の数字だということも重要です。
最近ヨーロッパやアメリカから帰ってきた人が何人かおられる所は、当然に普通ですよね。
こういうことの情報入手も含め、どのように対応を考えられますか?
そうなんです。ここでは、特に多くの人が集まって住んでおられ、隣との住戸の距離も近いマンションでは、やはり、「管理組合」の力に頼るしかないですね。
もちろん、この部分を町内会などに任せている、というかお願いしているところでは、そちらで動かれてもいのですが。でも、現実は難しそうですね。そうなんです。今は「災害」の真っただ中なのです。そして、風水害や震災のように、その被害というか「結果」がすぐに把握できない(目に見えにくい)特殊な「災害」なのです。
そしてもし不幸なことになれば、「全員2週間の隔離」とか、最悪「マンション内でクラスター感染」という事態も可能性はゼロではないのです。
ちゃんと前記の注意事項を守っていてもです。

一言で言えば、
「人が集まるところに出るな」
「そういう会議を含むイベントは中止しよう」と言っても
マンションでは
「ちゃんとそこに住んでいる人たちで、
『正しい情報』の共有をして、そしてまさかの時の対応方法を話し合っておく」ことが必要なのです。そして機会は今しかありません。
「理事会」や「総会」などを「とにかく中止しよう」って叫んでいるだけではいけないということなのです。
その対応については、次回に…。

ようやく書き込みの時間が取れました…。

高経年のマンションの増加は続いています。一方で、国等が押しているマンションの建替えは一向に進む気配ではありません。


でも、では高経年マンションで、今後の方向性をまとめることについてもなかなか合意が作れるかというと、そうでもないようです。
ただ、多くの高経年のマンション(特に公団等が分譲した団地)では、「建替えしない派」はもちろん多数を占めているようですが、少なくとも、最小限の工事実施で現状を維持するだけでは、当面80年~100年まで、マンションを維持することも難しいということが理解されるようにもなってきたようです。もちろん、落ちこぼれれば「管理不全」ですよね。
 
 
マンション管理に関しては、昨年から引き続き「管理不全」の問題が大きくなっています。建替え、長寿命化改修の課題も、基本は同じくくりであって、このあたりを包み込んでということですが。

この「管理不全問題」について、先日、次回の日本マンション学会の大阪大会に向けた原稿を何とか仕上げたのですが、その中で少し感じたことがあります。いくつかの団地型マンションの空家リスクについての状況を扱ってみたのですが…
そこに見えてきたことが…

もちろん、築50年ほどの各団地マンションは、現在はまだ「健全」に管理されています。よく言われる配管設備の改修工事もきちんと進んでいるようです。でも、これだけではマンションの将来が、当然安心できるものではありません。
これらの団地マンションでは、現在の組合役員の皆さんは、多くが昭和の時代から、「永住できる(住みごこちのいい)マンション」を目指して、長年(もちろん連続ではないことが多いですが)役員を努められ、その団地の隅々まで把握されている方々です。

その皆さんが把握されている現況は…
「マンションの区分所有者の皆さんの高齢化」「特に若い世代からの役員のなりて不足」「マンション管理に興味を持つ人たちの減少(総会で特別決議事項が可決できない」そして、何より、「頼りになる参考事例が把握できていない」ということです。経験豊かですから、この点は正確に理解されています。

ただ、ここの問題に対する「適切な回答」というか、模範的な対策が成功している事例はほとんどありません。
従って、過去に「団地の優等生」と言われるぐらいに、環境整備を実現された皆様には、特に自信があるがゆえに、昔の、「とにかくやってみよう」という姿勢が取れないのです。「失敗すること」が怖くなっているのです。そして、30年前と違って、今から30年後の生活を、70歳を超える方が多数を占める理事会では、具体的にイメージすることも難しいのです。
それでも、将来の答えは必要です。

「建替え」か「きちんと改修、アップデートしての長寿命化」か、あるいは、悲しけれども「負担を伴う解消か」…。
残念ながら、改修費を押さえて(現状維持以下、劣化、陳腐化を認めながら)それでも、あと30年、50年存続することは、ほぼできません。
建物は持っても、住む人がいなくなるのです。

これが現実なのかなと感じました。
もちろん、対応方法はあると思います。
「初心に帰ること」なのですが、この続きは、また書こうと思います。

  (管理不全への不安の払拭⑤)

今日で2019年も終わります。
このテーマも一旦閉めたいと思います。

「管理不全マンション」なんだか暗い話題で、末期の癌のように、もう将来のない姿だと感じられる方も多いと思いますが…。

でも、今の自分のマンションが「管理不全」の状態に陥ってしまったのか、いや、「健全」なのか、という問題ではないのです。現実には、この二つの状態にはっきりとした境があるわけではありません。「健全」と思われているマンションでも、「管理不全に至る初期症状」が現れ始めているマンションも実は多いのです。ですが、この状況のうちは、そのマンションの住民の皆さんが気がつきさえすれば、容易に、そして2~3年の短期間で完全に回復できます。気がつかないうちに…、ということもあります。


「管理不全マンション」の初期症状のうちは
人間の癌などと同じで、気がつかないけれど、検査の数値が悪いから…
でも初期のうちに気がつけば(あるいは生活パターンを変えるだけで自然に)、容易に完治してしまうものなのです。


重度の「管理不全マンション」の状態に陥ると、確かにそこからの回復は大変で、「暗く」で「重い」話になってしまいますが、
「管理不全マンション」に陥らないようにすること、あるいは、管理に問題を抱えるようになった気がするマンションが、そこから脱却しようと「積極的に」考えることは、実は、「後ろ向き」の話ではなく、自分自身のマンションの将来を真剣に考え、そして、将来の「住みよい」そして「そこに住みたいという人が多くいる」(人気がある)マンションを創る、「前向き」の、「将来に夢のある」話なのです。

まだ「管理不全」に陥っていない(と思える)から安心、何も対策を考えなくてもいい…、そして、そう後任の役員に受け継いでいけばいい。と考えたら、現実にはかなりな確率で、遠くない将来ほぼ確実に「管理不全」になるのでしょうが、
来年も、いや10年後も、「自分のマンションは自分たちで」ちゃんと考えて、健全に運営していこうと、多数の住民(区分所有者)が考えるようになりさえすれば、
きっと、10年後も20年後も「すばらしいマンション」であり続けることができると思います。(その年の役員の方だけのことではありません)

そうです。
人間の健康管理と同じように、日頃の意識と努力しかないのですが、これを「負担」ではなく「自然に」できるようにすることが、「管理不全に関係のない」「住みよい」マンションを作ることにつながるのです。

このために必要なことは、区分所有者の皆さんが、日頃から、ごく自然に、マンションの将来について語り合える場を備えることです。他に必要なことはないかもしれません。「安心」なマンションは、管理会社や管理員の方が作ってくれるものではありません(もちろん影響力はありますが)。
区分所有者の皆さんが自分たちで考えることが大切なことなのです。

皆さんも、明日から良い年でありますように…、そして長く続かれますように…。

  (管理不全への不安の払拭④)

マンションは「区分所有」という一つの所有関係です。ですが、日本の現状でのストックは650万戸以上。もはや「特別な」所有関係ではありません。そして、マンションの建物は区分所有部分だけではなく共有部分も相当に存在します。ここまでは、マンションを所有されている方は理解されています。

ですが、権利関係についての理解が十分でないから、マンションの所有(居住)は、コストの安い賃貸(レンタル)だと考えてしまうのです。
 
確かに、不動産の取引(価格設定)においては、原則として建物の価格は全て、その建物の区分所有部分の価格として分けられています。共用部(規約共用部は少し違います)は原則として単独で取引されない以上、当然、そこに建物の価値の一部を割り当てることはできません。このためですが、でも、現実に共用部に価値が無い訳ではありませんよね。

そして、土地(共有)の価格についても、多くはここに分割して付加されています。土地を単独で取引することができない以上、今の日本の常識では「価値0」ですから。
 
 
この「価値0」は、単独で取引ができないからの「価格0」であって、本当に建物共用部や土地が「0円」の価値しかない訳ではなく、これが、区分所有建物の価格を作っているのだということは再認識して欲しいと思います。そして区分所有部分の価格形成のうちの結構大きな割合を占めていると思います。
 

ですので「共有建物と敷地の管理」という活動(管理組合の目的)は、マンションの区分所有者にとって、他人の財産の面倒な管理作業を引き受けているという事ではなく、自分の大切な財産(区分所有不動産)の価格の大きな部分を保つ(というか形成する)活動をしているという意識を強くしないといけません。そして、この「管理」を他の区分所有者を含め他人に任してしまう(いろいろな作業を依頼するということではなく「意思決定」を、です)ということは、「財産を持つ人」は決してやってはいけないことです。もちろん、この立場をしっかりと理解して、他人に「委任」するのは自由ですが、これは「他人事」ではないということです。


もちろん、立場を変えて、管理組合の役員を引き受けている人たちにとっては、マンション管理のすべての決定権を委任されているのではなく、各区分所有者の各人の意思決定(基本は多数ですが)に従って、様々な管理についての「決定」を行わないといけないのです。そして、この組合員の意向は、時とともに大きく変化もしています。昔のように、「不動産は何もしなくても価値がある」という状況ではなくなっています。安易に10年以上前の規約に準拠しようとしたり、設備や環境の現状維持だけを考えていたら「負の価値」にもなる可能性があります。
 
こういった認識を、区分所有者のほぼ全員が持ち、その意向に従って管理組合の役員がしっかりと管理すれば、多分「管理不全マンション」と呼ばれることはないでしょう。管理組合の役員はスーパーマンではありません、神様でもありません。別に普通の人です。特に特別な「資格」ではありません。何もしなくて組合員の多数が納得できる「提案」も「決定」もできるわけがありません。もちろん管理会社に丸ごと頼めばいい訳でもありません。
 
そうです、組合員全員が自分のできる範囲で「管理」に積極的に参加して(いまはネット参加も当然「あり」です)、意見交換し、必要なことを行っていく。目先の利益追求(高齢の区分所有者が「あと5年暮らせれば、あとは知らない」などと堂々と主張することも含め)や、自分だけの抜け駆けは許されない。この意識さえ保てれば、おそらく模範的な「適正管理のマンション」を実現できるでしょう。必要な情報開示と、他のマンションとの意見交換も自然にできるようになります。なぜって?「自信を持って誇れるマンション」だからです。当然ですが、役員の人材も現れてくるでしょう、そんなに負担を感じないで務まるはずですから。それでも、自信がなければ、外部の専門家に意思決定の支援に加わってもらうのも一案になりますが…
ということで、少し長くなりましたが、今日は…

  (管理不全への不安の払拭③)

前の文章では、マンションライフは「コストの世界」ではなく、そこに暮らす、そして、そのマンションを持つことの価値を見い出して、そして、それを高めることができれば、マンションの人気も上昇し(もちろん実現できたマンションだけですが…)、価値も上がる、というか「適正に」維持できるはず、と書きました。
 
もちろん、ここには、新築物件を少しでも売りたい業者のみなさんの中に、意識はしていないけれど、結果的に邪魔をしているケースが…、という現実もありますが。
 
たとえば、不動産を取引される方の中には、今でも「修繕積立金が安い」ことを、「いいこと」のように言っておられる方がいらっしゃいます。ですが、その方々は、そのマンションの修繕積立金の残高の開示はせず(求めず)、長期修繕計画も詳細は知らせない、というのが実態でしょう。でも、このことは、実はそのマンションのポリシーにあえて蓋をして、見かけの、現在(だけ)のランニングコストだけで物件を売ろうという姿勢だけなのです。もちろん、中古の市場では、ここの購入者の層は一次取得というか初めて住宅を買う層(少なくとも理事とかを意識して務めたことがない人たち)が多いのではと思いますが。そして、他方で、売却される方にはそれより高級な新築のタワマンなどをはめ込めれば、得られる利益は??

でも、これが、この売買のどちらの層にも、「マンション所有」を「レンタルの延長」として、積極的に管理に参加せずとも、「上手に渡って(買い替えて)行けば理想的な生活ができる」というような「誤解」を育ててしまうのです。
 
たとえば、この「修繕積立金の水準」にしても、ちゃんと、「毎月の積立金額」「マンションの棟全体の積立金残高」「最近の大規模工事の実績」と、その関連、そして、そのマンションの建物設備の維持にかかるポリシーを示して、売買ができるようになれば(価格にも反映できれば)、当然に管理状況が重要な事、そして、区分所有者の管理への参加意識の重要性が、マンションに住む(あるいは買おうとする)世代の人たちに浸透し、それが、その後の安定した管理ができるマンションにつながる、と考えるのですが…。
 
先日公表された、住宅・土地統計調査(平成30年)では、全国の空家率は13.6%(7軒に1軒)そして、空家とカウントされる条件はかなり絞られていて。田舎の戸建てに限らず、大都市近郊や都心部にもそれほど大きな差はなく分布しているようです。もちろん、賃貸、高経年の比率が高いようですが…。

結果として、「長くは持ちたくない」マンションには、多くの空家が生まれてしまいます。設備的に、生活水準についてのアップデートができていなければ当然ですが…。
そうです、現実にマンションの適切な管理の大敵は「空家」です。それも所有者との連絡が取りづらい…。これを少しでも避けられるようなプランなどを、これから、書いていきたいと思います。

先月とこの10月12日、続けて巨大な台風が首都圏を通っていきました。
 
運悪く、水害や停電の被害に遭われた方々には、心からお見舞い申しあげます。
強風についても、住宅に中にいても恐ろしかったと思います。
 
マンションは災害には強いと言われています。 確かに地震や、強風に対しては、そして経年の浅いマンションでは、 間違いなく、木造の戸建て住宅よりは強いと思います。まあ、コンクリートですから当然です。が、これはあくまでも「建物」の話です。
 
ただ、マンションは生活の場であって、仮に建物(躯体)が無事であったとしても、そこで普通に生活ができなければ、「ただの箱」の価値になってしまいますね。
そして、特に先日の台風では、東京近郊でも多くで浸水被害があり、そして、強風などによる広範囲の停電が発生しました。特に高層のマンションでは、その影響が大きかったと思います。
以前から、大雨で地下にある駐車場に水が入って…
ということは時々起こっていました。

今回は、「浸水」ですが、部屋の中に水が入ってきたという所はほぼなかったはずで、数時間後には水は引いて、建物の出入りはできるようになったところが多かったと思います。しかし、今回の問題は停電でした。もちろん途中の送電線が…

ということで、一体が停電し、長時間… という所も多くありました。
イメージでは、マンションには非常電源設備もあるので、まあ、電灯は点き、エレベーターも基数はともかく、それほど困らない…そして信じておられた方が多いと思います。ただ、今回話題になったのは、憧れのタワーマンションです。
付近が浸水し、マンションの中にも水が入ってきました。そして、地下にあった電気設備も水に沈み、そう壊れてしまいます。

高層マンションでは、高層階に水を揚げるためにも「電気」は今や必須です。そして、命の綱のエレベーターが全く動かなく…。もちろん非常照明も時間が経てば…。
 
そうです、高層階で、水は出ない。外に出ようとしても30階以上を階段で…。
どうだったでしょうか。「階段」と言っても、目的は非常階段で普段は、1~2階の移動にしか使わない。そもそも他の階の人との付き合いはないから、使ったこともなかった、と
そのうち、携帯も使えなくなると…
 
たとえば、これが1週間続いたら…、まあ住まれている方は、何が必要なのかを、今回被害に遭われた方にはお分かりいただいたと思いますが、幸運にも被害に遭わなかった方(もちろん圧倒的に多数ですが)も、この機会に、一度考えていただければと思います。

  (管理不全への不安の払拭②)

前回、単独所有、レンタル、シェアの問題について書きました。
マンションも同じで、個人財産で単独所有でないということは「シェア」をしている(あるいはその部分がある程度ある)ということです。これは、決して「安いレンタル」という関係ではなく、各人がその所有者としての管理責任を負っていて、その判断と費用負担を行うからこそ、その資産(性)を最適に生かせるようになる、ということです。


それでも、最近は「マンション」の管理の世界では、その「管理」に積極的に関わろうという意識が低下しているようです。昔(昭和の時代?)は自宅不動産を持つということはたとえ小さなマンションでも、そして中古であったとしても、「一国一城の主」として周りに誇れるものであったと思います。そして、賃貸住宅を借りるにもいろいろとコストがかかるものでした。ある意味では、「マンションの区分所有者」であることは十分な「プライド」であって、「それを維持することに必要な管理活動」に参加することの動機付けにも十分になっていたようです。
今はどうでしょうか?

新たに住宅を買おうとする人の数の減少(少子高齢化)、過剰な住宅ストック、そして、上記の時期に分譲されたマンションの高経年化(とそれに伴う維持管理コストの大幅な上昇)、建替えも(当然経済的な合理性として、戸数も増やさず、費用もかけず、40年~50年経った住宅を新しいものに建替えることは不可能ですが)簡単ではなくなっています。
マンション(を含む住宅)を所有することが生活のための「コスト」でしかない、と捉える若い世代の人が増えているようです。 それから、その高経年住宅に住んでいる多くの高齢者が、頭の中で考えていること、それは「このマンションの居室のどこまでが自分のもので、どこからが自分のものでないのか」であって、「その自分のものでない部分には、自分の生活に関係ないことだからできるだけお金をかけたくない、そこの管理活動にも参加したくない」という意識が強くなっているようです。
 


そうです。敷地や共用部分(の一部)を「所有している意識」が低下しているのです。それに「シェア」という関係(というか権利と義務)がよくわかってない様なのです。

その結果は?


そうです。「管理不全マンション」の入り口に立ちつつあるということなのです。でも、まったく気がついていないのです。自分の単独の所有権が及んでいるところだけは考えるけれど、及ばないところは、全く考えられなくなっているのです。(どうやっても同じだから(変わらないから)費用が安いに越したことはない、と)
そうです。共用部は、管理費という利用料を払う「レンタル」の世界に入ってしまっているのです。なぜ?
もちろん不動産価格が昔ほど高騰しないのも理由ですが(でも、これは当面帰っては来ないでしょう)、共有部を(設備面だけでなく生活環境そのものも)共有(シェア)していることの「メリット」を感じていない、そして、それを維持、向上させようという意欲が湧いてこないということです。


では、何を言いたいのか、というと…
そうです。特に「高経年マンション」に住んでいる皆さんに、そして、これから「これから有利な条件の住宅を買いたい」に人たちに、「共用部を適切に管理していること」で得られるメリットをちゃんと感じてもらうことができたら、そして、その「メリット」をイメージできたら、「シェア」のいい点を実感してもらえれば…


きっと、多くのマンションオーナーに、積極的に「管理」にかかわる意識が芽生え、これから住宅を求める人にも「夢」を提供することになるのでは…
ということです。そう、この点で高経年マンションには「長年の実績」があるのです。新築マンションがここではかなうはずがないのです。
と、意識の話ばかりしましたが、次は、少し具体的に… 

  (管理不全への不安の払拭①)

日本のマンションの戸数は650万戸(平成30年末)、そこに暮らす人は1,400万人以上(国民の12%以上?)。そして、築30年を超えた高経年と言われるマンションは、もうすぐ200万戸。安易に、負担なしで建替え?できなくて当たり前ですね。せっかく買ったマンションの住み替えも負担だし。せっかくなら、もちろん「買って」がイメージでは、


そこに長くは住みたいですね。近くの部屋の人たちとも、お互いが顔が見える関係で、楽しく、豊かに…。


でも、距離が近いだけに、お互いのプライバシーも大切に…
まあ、都市生活の基本ですね。


マンションって、戸建て住宅が集まってできたもの?
ではないですよね。
だったら、費用の安い賃貸住宅と同じ?
でもないですよね。


そうです。確かに、マンションには大事な専有部がありますが、実は共用部としていろいろな設備や、相当な空間を「シェア」して暮らすという、日本の意識では先端の(でもヨーロッパなどでは数百年前から常識の)暮らし方なんですよね。
まあ、この「シェア」する社会って、日本でも明治時代以前のムラ社会では、それほど違和感のあるものではなく、人が集まって住む自然な姿のひとつだと思いますよ。


マンションでの快適な暮らし方、という点では、住宅という自分の財産(専有部)を最良の状態(環境も価格も)で維持し、付帯する共用施設や敷地などを有効に使っていく必要があります。ここには、そのマンションの区分所有間で話し合い、納得できてさえいれば、戸建て住宅なんかより、余程便利で快適な生活ができることになります。維持コストについても、おぼ同じ規模の戸建て住宅なんかよりも、特に10年、20年と経年してくれば低い水準になるとも考えます。そうなんです、「シェア社会」の典型なんです。

物や空間を「シェア(共有)」すること、これはもちろん人類が集団で生活していくため大切な知恵なんですが、この「シェア」の意味をよく知らないと、せっかくのチャンスが消えてしまいます。基本は、全員が「持ち主」としての責任をもち、その管理(使用する順番や時間を決め、そのメンテナンスに責任を持つこと)をちゃんと行うことなんです。そのために「協議」が必要になるのです。この原則がわかり「管理」に適切な参加ができればいいのです。


けれども、現実には、多くの人は「この『管理』はめんどくさい。ほっておけば(言われる費用を払っておけば)誰かが管理してくれる」と考えてしまうのです。一方で「レンタルじゃあないんだから、もっとコストは安いはずだ」と言って管理経費を削ろうとして、あるいは不具合を放置してしまうのです。その結果、「シェア」って面倒なだけで…、となってしまうのです。


マンションも同じです。生活するのも、建物設備を維持することも、「シェア」の本質を区分所有者、居住者の皆さんがよく理解してないから、「荷物」と感じてしまうのです。「one is for all, all is for one」チームでのスポーツでは当たり前の言葉ですが、どうも、普段の生活では無視しがちですね。でも、なくては「勝利」はないですね。


「マンションは、チームプレーで生活するものだ」と自然に考えることができれば、きっと、経年や居住者の年齢に関係なく、「豊かなマンションライフ」を築けると思います。

以前にも取り上げましたが…
「管理不全マンション」の問題、いろいろと論議はされていますが、なんとなく前に進んでいかないようですね。


「管理不全」って?
・建物の設備の維持管理が十分に行われていない状態?
 (多額の滞納や資金の不足も含めて)
・管理組合の組織がない、総会が開かれていない、
  あるいは、開かれていても、規約改正も行えない状態?
・住民が高齢化し、退去者も増え、管理できていない空室が
  増えて困っている?
このような状況になったマンションを「管理不全」というので、自分のマンションはまだここまで進んでいない。「管理不全」問題は存在しないので安心だ…という役員の方々…


うちのマンションは、管理会社がちゃんとやってくれているから安心です。
別に管理組合(理事会)は、運営も含めて管理会社に従っていれば安心ですから…
結構よく耳にします。   ですが…、そうなんでしょうか?


上記にあげた状態、確かに症状は「管理不全マンション」で間違いないでしょう。
それもかなり進行した状態…
まあ、人間の病気で言えば「重篤な肺炎」や「心不全」みたいなもの…
そう、「重い症状」ではありますが、多くの場合この症状が病気の直接の原因ではありませんよね、癌があったり、結核などの肺の病気があったり、血管が詰まっていたり、感染症にかかったり、その結果、ちゃんと初期対応をしなかったからここまで進行したんだ、と言われたらしかたないですよね…
マンションの管理不全も、まあ「マンションの…」をつければ同じです。

不幸にして「管理不全マンション」と言われる状態になったら?


症状に対しての特効薬はない、というか、期待しても仕方がありません。
総会で「当マンションは管理不全じゃありません」って決議したら、収まるものでもないですよね。


そして、ここから立ち直るには…
おそらくマンションで自力では復活ができないでしょう。誰か、助けは必要です。でも、今は行政が支援してくれる枠組みもほぼできていません。(あったとしても、自分たちで協議し、申請して、そして承認されて…、ハードルはかなり高いですよ)、管理会社は?…。


現実には、多くが、その前に「もうこちらのマンションの管理は辞退させていただきます」となるようです。
「管理不全」から立ち直るには、非常に大きな負担と、精神的なエネルギーが必要になります。今までできなかった「将来への合意」を作らなければならないのですから…
一方で、組合員が「区分所有者の責任を逃れる」こと(≒専有部の売却をして越していく)
も容易ではありませんし、「解消」にしても、そのまえの維持管理の合意すら取れなかった管理組合には越えられないほどのハードルがあります。
そして、大きな負担を伴う負のスパイラルに陥ってしまうのです。
「じゃあ、マンションなんかに住まなければよい」というものでもありません。
現実に老朽化した戸建て住宅の維持管理(建替えも含めて)には膨大なコストがかかります。「賃貸住宅でいい」といっても、これは若いうちの収入がある時には安心ですが、高齢で子どももなく(疎遠も含め)単身とか、老々介護を抱えたりすれば…、いくら住宅が余っていても、遠くない将来に「路頭に迷うこと」になるかもしれません。
むしろ、ちゃんと管理されたマンションを持っていることが一番安心といってもいいでしょう。


それから、「『管理不全』になったら何とか立ち直ろう」よりは「日頃から努力して、『管理不全』にならないようにしよう」というほうが、何十倍も易しいことだということなんです。
まずは、マンションの管理に、多数の組合員が積極的に、前向きに関われるようにすること…
ここからなんですが…

高経年マンションの増加は急ピッチです。
30年超のマンションは昨年末で約200万戸、これが20年後には500万戸超。
当然で、作ったものは年が経てば、古くなりますが…。
古くなっても、ちゃんとメンテナンスしていれば、50年、60年、ちゃんと価値を落とさず、居住環境も維持できるはずです。

もちろん、今から100年後かも、その先かもしれませんが、いつかは建替えることも必要でしょうし、「解消」という選択になるのかもしれませんが…。
最近、2度、3度、講演をしてきた概要ですが…。

でも、ちゃんとしたメンテナンスですが誰かが、しっかりしたプランを作って黙って待ってればいい。請求されたお金を払っていれば、住環境が維持できるわけではありません…

そう、、自分たちで、どういう「夢」を持つか、そして、区分所有者の皆さんでそれを、どう共有するかです。
「話し合う」しかありません。
そして、その結果(「合意」)があって初めて工事や管理の発注、それが、明日につながる唯一の道なのです。
それに、大事なのは「後継者」

考えれば、当然のことですね…。

先日、新聞の記事に、あるリゾードマンションの解消(建物解体、管理組合解散、そして土地売却まで)の一連の手続きが完了したとありました。
結構大きく取り上げられていましたが、多分、多くの方は、リゾードだから、そして30数戸の小型のマンションだったから、「自分達には関係ない」と思われているかもしれません。そして、その記事で気になったのは、1戸あたりほぼ100万円の修繕積立金があったので、解体費に充て、そして土地売却手続きまで進め、「持ち出し」はなかった、と。
大変な誤解ですよね、「管理費の繰越金が…」だったら、「持ち出しはなかった」と言ってもいいのですが、「修繕積立金はあったのに、解消後何も残らなかった」だったのです。修繕積立金ってひょっとして支払済の補修費用たと思っているのでしょうか。
もちろん、読まれている皆さんには「おかしい」と思われると思います。


そうです。「修繕積立金の残高」というのは、これからの建物等の維持管理、そしてできれば改良工事に充てるべき資金です。場合によっては建替え原資の一部にもなるものです。いうなれば、これは「管理組合の組合員の皆さんの貯金」なのです。そして、解消には、これが全部吹き飛んでしまった、ということなのです。(手を離れているから、既に目的に使われてしまっている、というものではありません)
そうです。このケースでは、「解消」のために1戸あたり100万円を持ち出した、と言う事なのです。そして、事実として、この手続きに加わった業者さんに「利益」としても持って行かれているのですが。
そして、識者の意見として、マンションには「解体積立金とかが必須です」とか、記事を書かれている方は誤解されているわけではありませんでした。「持ち出しがあった」事実は認識されているようです。

「定期借地権マンションで、地主の方が絶対更地返却だ」と言われているならば、そうです、多分この「解体積立金」は必要でしょうが、所有権マンションであれば、そして組合員の皆さんの合意に基づいて、きっちりと管理し、補修(改良)を進めていけば、100年でも維持できるのに…

「修繕積立金を十分に持つ」なら納得できるでしょうが、所有権マンションで「『解体積立金』が必要です。月に2万円です」なんて言われたら、そんなマンションを持ちたいと思いますか?こんなの資産じゃないですよね!改修工事にも、そこから支出出来ないんですよ。

もちろん、この問題も、別に誰かマンションの所有に関係ない人や会社が決める事ではありません。当然のことなのですが、管理組合で自分たちの合意で決めるものなので、別に、こう決めるのは自由です。しかし、こう決めざるを得なくなるなら、それは「管理」の失敗なのです。

では、これは、リゾードの小型のマンションだけの問題でしょうか?

いえ、大都市近郊の高経年マンションでは、実は、もっと差し迫っている問題なのです。いわゆる「管理不全マンション」の問題です。住環境の整備、建物の維持管理は、総会決議があれば出来るものではありません。日頃の区分所有者の皆さんの将来に向けた展望の忌憚ない討議と、十分な計画、そして適時の改修工事が、ちゃんとつながらなければ、結果はその「管理不全マンション」になってしまうのです。改修工事の費用がないわけですから、当然、一時金持ち出しでの解消しか見えなくなってしまうのです。
リゾードで、そこを住居にしていた人も少なく、土地も安く、時間をかけてもよかったから、実はこういう結果で終えられた、というのも実態でしょう。郊外の大型マンションだと、敷地にまだ「価格」があるからこそ、そして、住み替えざるを得ない人は急ぐから、そして、持ち主の所在まで不明なケースも出ることから、そうです、当然土地売却は難航します(たぶんできないでしょう)。解体すら合意できないかもしれないのです(議決権の不足で)。そうです、これは、今の管理に不安のあるマンションにはとても身近な問題だったのです。当然、高経年でなくても…
「もう建替えはできない」、「修繕費は積み立てられない」、「管理費は(先を考えず)とりあえず安くしよう」という方向に向かっているマンションでは、不可逆的な課題になってしまうのです。

先月、マンション学会福岡大会に参加して以降、あちこちの決算業務に追われて、書き込みができませんでした。
福岡大会の成果とかは、またあらためて書き込むつもりですが…
 
最近のマンションを巡る環境について問題になっていることは、昨年までの「民泊」問題、「不適切コンサル」問題から、今年は「管理不全マンション」に重点が移っています。ですが、これはテーマがただ置き換わってしまったわけではありません。
もちろん各課題の「見え方」は全く違います。「管理・用法の問題」「適切な補修工事の取り組み方」そして「修繕計画と費用」の問題。多くの方はこの問題をそれぞれ別に、イメージして、自分の住んでいる、あるいはかかわられているマンションが、「どうすれば被害を受けずに済むか?」「どうしたら理事長以下の役員が責任を負わないで済むか?」というように捉えて活動をされています。それも残任期の1~2年のうちで、と…

まあ、事情は分かります。

でも、ここで「管理組合」って何か考えてください。
「営利企業」じゃない。「官庁」じゃない。ただの「財産管理団体」だから、組合員の見かけの損害がなければ、それ以上責任はない。自分だって管理費・修繕積立金の使途だけみれば、あとは…

こう考えていませんか?
そうしたら、ここ数年で起こった問題は、種類も異なり目まぐるしく対応を迫られる、重たい話だったのでしょう。そして、その意識でいたら、将来の「管理不全マンション」化、避けて通れなく、というか陥ってしまうことがほぼ避けられなくなるでしょう。
「意味が分からない」でしょう…
まあ、この辺り、これからゆっくり書いていこうと思います。
ひとつ言える事、「マンションの管理組合」のあり方、これは単に「財産管理のための形も見えない団体」ではない。と言う事です。役員としてやっていることも「単なるボランティア活動」ではないことを、十分理解しておいてほしいと思います。

「管理組合」は、「民法」に従った、そして「区分所有法」で定義された団体です。法人化されていれば法人格も持ちます。当然「公的機関」ではありません。目的は、「区分所有建物と敷地を管理すること」ですが、「管理」する、ということはただ「税金だけ払っておけば…」ではなく、「不動産の所有権者」として責任を全うすることなのです。管理組合だから「共用部だけ」ではありません。「専有部が適切に、組合員間の利害も調整されて『管理』されなければいけない」のです。

そう、不動産を管理すること、これは、現金の利益ではありませんが、少なくともマンションでは全員の「居住環境の向上」という形の一種の利益を追求しないといけないのです。そして、一般の企業のように業績が悪くなれば数年で「撤退」とも行きません。
そう「マンションの管理組合」での役員(組合員全員かもしれません)の行動は、一般の企業経営と何ら変わらない(というか『継続性』を強く求められるだけもっと重いかもしれません)なのです。
 
民間団体ですから、自分達の財産は、ルールの則って「自分達で責任をもって守る」しかないのです。組合員一人一人が、社会的責任も負う「企業」の社長である位の意識を持たなければ、管理組合運営はできないのです。その意識のもとで組合員間で(特に理事などの役員に)権限を委任して、運営をする必要があるのです。
こう言われると、「あ~あ、マンションなんか持つんじゃなかった」と思われるかもしれません。でも、その意識が共有されていれば、実は、共同でマンションを管理するほうが、戸建て住宅の管理より恵まれているかもしれない、と思えるようになると思います。特に高経年化する程に…

日本マンション学会恒例の大会が20日(土)、21日(日)の2日間、本年は福岡市(会場は福岡大学)で開催されます。メインシンポジウム(20日午後)のテーマは「被災マンションの課題とそれを踏まえての提言」で、熊本地震からの復興途上にあるマンションの問題や展望などが語られるようです。


私は、初日午前の第2分科会に参加し、再生改修工事を成功させてきた高経年マンションの管理やコミュニティの状況や特徴などを、ヒアリングによるアンケート調査研究会委員の共同研究で実施、その結果の発表と、将来に向けたシンポジウムを行います。
合わせて、千葉県マンション管理士会の田邊会員と共同で、実務報告を一篇提出しており、こちらの発表等は田邊会員に行っていただきます。(20日午前の第3分科会での発表のため、上記の分科会発表と被ってしまいました)
21日は、いずれかの分科会に参加した後、午後からマンション見学となっています。
詳しくは、 マンション学会福岡大会のHP
または、マンション学会のHPよりご確認ください。

とにかく高経年化したマンション、被災したマンションは、その区分所有者全員が力を合わせないと「再生」はかないません。無理な費用の圧縮は「望まぬ解消」への一本道になるのかもしれません。


特に高経年のマンションの皆さん、これから高経年化するマンション(新築だって…)頭に置かなければいけないことだと思います。
必ず「成果」の期待できる大会だと考えています。

マンション管理に関してだけではありませんが、最近、よく気になることが「個人情報の保護」に関する問題です。


住所、連絡先、フルネーム、メールアドレス、そして、マイナンバーとか。
病気とか、宗教とか、極めてセンシティブなものは別として、問題のは、ある意味で、個人や会社を特定するための基本的な情報ですね。


よく、「情報が悪用されるといけないから、名前は明かしたくない」とか、どんな局面でも、当然の権利のように主張する人がいます。一方で、こう言われると面倒くさいから、と言って、必要な情報も聞かない、あるいは聞いてはいけないと信じている人がいます。これが、実は社会に対して不利益をもたらし、様々なリスクを生んでいるのですが、それよりも「変な責任を負わない方が安心」と考えている人が、相当数おられます。実は、これらの方が、結果的に一番の損害を被っている、あるいはこれから被ることになるとは気が付かないままで。
例えば、マンションで(もちろん、賃貸の共同住宅でも同様ですが)、新たに入居して、管理事務所や、近隣の住居の居住者に、ここに自分が住んでいることがわかると、何かと面倒、とか、できるだけ部屋の近くで他の人に顔も合わせないように、そして表札も掲げず、空家かどうかもわからない状態で住んでいて、実際に、何か具体的に「得」をすることはありますか?

実は、犯罪に巻き込まれる人、孤立して亡くなったりする人、(別に一人暮らしとは限りません、小さな子供のために、と思ってという家族の場合もあります。)、ほぼ、近所の人との付き合いのない人たちばかりです。そしてさらに不安になり、セキュリティの強化に費用をかけ、そして、ネットを経由した甘い誘いにかかってしまうのです。
安全に、そして快適に暮らすには、最低限、近所の人(複数、できれば5、6人以上くらいで)、フランクに話ができて、そして、メンバー以外にはあまり秘密を洩らさない(でも、必要な情報は伝達してくれる)人との適当なつながりを持てなければいけません。それで結果的に、安心感は持てないのです。


かつて、夢をもって団地に住んだ人たちは、入居当初から、意識して、そういうグループを作ろうとしました。そして、活気ある団地が生まれました。小さな子供が1人で公園に遊びに行っても、安心な街ができあがっていたのです。
しかし、今の若い世代には、そんな信頼感は育たず、高齢者は、自分の子供が巣立って時間がたつと、すっかり忘れてしまったようです。


すこし、話がそれているようですが、そうではありません。
長くなってきましたので、近く、続きを…

標題のテーマにて、明日、習志野市で話してくる予定です。

 マンションの運営は、区分所有者の大半の方が、ちゃんと意識して取り組まなければ、満足の行くようにはなりません。分譲から年を経れば経るほど、住む人は年を取り、世代間のバラツキが広がり、将来への意識、金銭面の余裕など、生活環境の幅が大きくなってきます。だからこそ、マンションごとに、しっかりした「将来への合意」がなければなりません。

昔の日本の村のように、長老の意見に従っていれば「丸く」おさまるわけでなありません。管理会社に任せていれば…
楽で、見かけはいいかもしれませんが、間違いなくコストは上がっていきます。(でも、誰も言ってはくれませんけど…)
 どうやって…


手段はいろいろありますが、
基本は、「区分所有者の、そして住民の皆さんの、忌憚のない意見が集まって、そして自由に論議ができ、そして反映される仕組みを作ること」です。
「マンション管理は『不動産の管理』だから、区分所有者だけで決めればいいんだ」とよく言われます。それに対しては「え!空き家を管理しているんですか?」と聞き返します。
「住宅の管理」なら、「住環境」「住み心地」そして「将来の安心感」ですよね。それがあって初めて不動産を持ち続ける気持ちになり、あるいは、新たな所有者になりたい人も生まれてきますよね。そして、はじめて、「管理」が上手く回ります。何よりも、そこに興味をもつことです。そして、将来への夢と展望を話し、他の所有者の方の意見も聞いていくことです。「めんどくさい」「むつかしい」は禁物です。

短絡的に、「所有している不動産の価格が上がればいい」と考えるだけでは、落とし穴に落ちてしまいます。とにかく不動産は「価格に関係なく(というより、むしろ安い方がいい)」、「とりあえず多く取引が発生してくれればいい」と思って、甘い誘惑をしている人たちが多くいますので。そして、その末路は…、いろいろ事件が起きていますよね…。

 
あとは、他のマンションとの交流(情報交換)や、専門家というか「いろんな分野で活動される方の意見の収集」ですよね。決してその方々の『指示』であってはダメで、それは指針であって、決めるのは自分達なのですから。
この自覚があればきっと未来は明るいと思います。
 
という方向性ですね… 

 先日、日本マンション管理士会連合会の合同研修会に参加してきました。
今年のテーマは「管理不全」マンションについて
 
 マンションの「管理不全」って、最近時折耳にしますが、どんな状態のことでしょうか?
イメージするのは、新築から10数年たつのに、外壁塗装も新築入居時のまま、とか、最近排水管からの漏水事故が繰り返されているとか、空き家が増えて困っているマンションとか、想像しがちですよね。
 でも、今回の研修会であらためて確認した。
「管理不全」って、特に建物設備のハード面の現象じゃなく、そのマンションに住んでいる人たち自身が、自分たちの住環境についてあるいは、その将来について、真剣に取組めずに、結果として「何も決められずに」ズルズルと時間がたったマンションなのじゃないかな、と。

 「お金がない」から、よく、高経年で思い通りの修繕ができないマンションの役員の方が口にされます。そう、現実に「資金が無くて」大きな工事はできませんね。でも、そこには、過去、「資金をためなくては」という合意がなされなかっただけという事実があることを忘れてはいけません。
「昔の役員が無駄な支出をしたからだ」、「これからはもっと切り詰めよう」こういう結論になりがち。そして「しかたなかった…」と続いてしまいます。これが「管理不全」なのです。たとえ理事会とかが十分に機能していても…
 
 そう、これから「管理不全」マンションにならないためには、自分が住む、あるいは持っているでもかまいません、マンションを、いかに、長期的にみて「価値があるもの」にするための「話し合いの場」ができてそして、その時にやるべきことが一つ一つ積み上げられていけるよう努力することが必要です。それは修繕費の値上げかもしれません。
「誰かが決めてくれる」「お金はちゃんと払っている」から大丈夫ではありません。「自分のことは自分で決める」これが「財産を守る」ための基本的な姿勢です。間違っても「自分でやる」と言い張ることではありません。
 
 来月(2月)16日、習志野市で「合意形成」について話します…。

「マンション」貴重な財産です。そして、将来もそうであってほしいです。
それは、マンションに住む人、住んでなくても持っているだけの人にも共通の希望だと思います。
でも、「今、価値があれば、しばらく内に売ってしまうんだから、先のことはどうでもいい」、「今のまま、さらに古くなっても、誰か喜んで住む人はいるよ、放っておいていい」、実は多くのマンションの持ち主の方々が無意識で持っている姿です。これが、少子高齢化で住宅の余っている現在、将来に、適切なイメージでないことは、冷静に考えればおわかりでしょう。
そして、「将来は不動産価格は落ちるのだから、今のうちにいい物件に移りましょう」という、業者さんの都合のいい論理に上手くつながって、そう、多分「価値」は蒸発してしまうでしょう。「負の財産になる」かもしれませんね。でも、「マンションの向かう方向」を決められるのは、そこに住む人の「思い」だけなのです。

そう、「いいマンションにしよう」という合意ができ、そして、区分所有者、居住者のみなさんの積極的な関りがあるマンションでは、共通の「夢」が生まれます。そしてそれに向かおうとすれば、かなりの確率で実現はできるでしょう。そこは、いつまでも、多くの人たちが「住みたい」と思い、「次世代に受け継ぎたい」と思える、「いつまでも『価値のある』いいマンションであり続けるでしょう。
では、「誰かがやってくれるから…」と思っている人の多いマンションでは?そうです、ある程度具体的な「夢」も生まれません。誰も努力はしてくれません。外からも「あのマンション、面白いから住んでみたい」と言う人もあまり生まれません。その後はどうなるのか?まあ、おわかりですよね。しばらくは管理会社の貴重な収入源になり、そして、不動産業者の道具に使われて…、そう、最後は「お荷物」ですよね。

「前者になるマンションがどこか教えてほしい、そこを買うから」実は、多くの人は考えています。それが実体です、が、今まで書いた通り、そんなことは何も決まっていないのです。どのマンションも「前者になるチャンス」があり、そして「後者に落ち込むリスク」も持っているのです。
現実は、この方向を決めるのは、今そのマンションを持っている「あなた」だと言う事です。もちろん、一人でできる事ではありません、「合意」があって始めてできるのですが、「合意」のもとは「採決」ではなく「提案」から始まっていくのです。そして、「合意」を作るための世代を超えたコミュニケーションの基盤、そこでできた「議案」を総会で可決できて、そう、「実現」していくのです。「トライ」しないところに「実現はない」、何も提案も努力もしないマンションにバラ色の「夢」があるところはなく、団結して「夢」を追える環境が将来を作っていく、これが、特に高経年マンションを維持するための現実なのです。
 

「古いマンションだから仕方ない」「若い人たちは管理に興味がない」、高経年の精いっぱいがっばっておられる高齢の役員さんたちはよく言われます。そして、多くの場合管理コストを下げるために、そして自由になる時間が多少ともあるので、役員の仕事をどんどん増やして、本当にマンションの将来を考える暇を無くしてしまっています。
そして、結果として目先(今後2~3年先)の管理コストをカットしようとさらに考えます。そして、他のマンションとの情報面の交流も負担に感じて閉じようとしてしまいます。そして、同じように出口のないトンネルに入ろうとしてしまっている、これが感想です。そして、落ち着くところは、「このマンションもみんな高齢になってしまってしまったから、自分が生きている間だけ維持できればいい」となってしまうのです。これは、問題の先送りで「次の世代に大きなコストの負担を先送りしている」とか「若い世代が寄り付かず空家が増え維持ができなくなる」という将来につながってしまいます。
 
実際は、多くのマンション(団地)の場合、役員の皆さんは高齢でも、区分所有者、住民の皆さんは決して高齢者ばかりではありません。高齢化率が全国平均より少し高いくらいで、若い子育て世代の方も相当数住んでおられることがほとんどです。ただ、高齢の役員が活動をされる平日日中には顔が見えないだけなのです。
 
 では、必要なことは何でしょうか。そうです、高齢の役員の皆さんが、そのマンションを買われた時、そう現役でバリバリ働きながら、大きな夢をもってマンションの管理運営を行っていた時代(というか、それを見ていた時代かもしれません)を思い出すことが必要です。日中にいろいろ雑用をやってくれるお年寄りはほとんどいない、仕事の合間を縫って、「少しでもいいマンションにしていこう」と、いろいろとかつやくされた時代です。入居して、まずやられたことは、少しでも仲のいい仲間を見つけ、このマンション(団地)の将来を、飲みながらか語り合うことだったはずです。そして、そこから、管理に参加しようという意識につながっていったはずです。
 
 マンションは、区分所有者、居住者の皆さんの多くが、積極的に管理に参加することでのみ活性化でき、「将来」をを夢見ることができるのです。「管理に参加」と言っても、別に役員の活動を頑張ることだけではありません。


近所の人たちと、住んでいるマンションの環境や将来性を少しでも話し合えて、そして広報や総会議案に目を通し、積極的な意識で総会に参加する、あるいはちゃんと議決権行使書(委任状ではありません)を提出すること、これから始めればいいことなのです、あるいはできる環境を作ることです。それが、サークルになり、研究会を作り、そして、その核となるメンバーが将来の役員候補になっていくのです。時間はかかります。
 
最低5年先を考えてください。それを、「抽選で、輪番で役員は出てくるから心配はいらない」とか言っているから次世代につなぐ管理の後継者が育たないのです。そして、「若い人は興味がない、好きなようにやらせればいい」と言って逃げて行こうとするから今の姿になってしまっているのです。
 
とはいっても、何もしなければ解決はできません。やることは、まず、マンションの中に、若い世代のファンを作り増やしていくことです。せっきょくてきなアプローチが必要です。紙の広報を配布しているだけではいけません。それから、そのマンションの大きな「夢」を作ることです。10年先ではなく最低30年先かそれ以上です。「目標」と書くと平然とマイナスにしてしまいますが、そうではなくできるだけポジティブな、ほんの少しかないそうな「夢でいいのです」ここから始めれば、少しずつ、賛同する若い居住者が増えてきます。そして、ネットなどで外に「ここはいいマンションです」と積極的に配信してくれます。これがスタートです。
この先、どうするかは次回にして、今日はこのあたりで…
 
で、もし、この初動ができなければ?マンションのスラム化のリスクが大きくなっていくだけです。

まえの投稿から、少し時間が空きましたが、復習も含めながら続きです。

「マンションの管理は、そのマンションの中で時間の余裕のある人だけが行えばいい。そして、作業はできるだけ費用を押さえるために自分たちの手でやるほうがいい」これに、「自分たちのマンション(団地)を一番よく知っているのは分譲当初から住んでいる自分達しかいない」

高経年マンションで、「後継者問題」というか、役員のなり手不足、総会の参加率(委任状を含め)低下に悩む高経年マンション(団地)の多くで、まことしやかに現役員の皆さんが語られていることです。

更に次の言葉が加わることがあります。「他の団地も苦労しているようだがあまり成功例はない、わざわざ話を聞く必要はない」「自分たちのマンション(団地)のことをあまり外で話すと値段が下がるから外には話すべきではない」もっともらしい言葉ですが、少し冷静に考えるとこれが詭弁であることはすぐわかりますよね。この言葉、結構長年付き合っている管理会社の担当者から焚き付けられていることもあるようですが。

確かに、これから1~2年のことを考えれば、非常に効率よく、コストパフォーマンスもいい管理の活動の仕方であるとは思います。しかし、これからさらに30年~50年そしてそれ以上をマンション(団地)として継続させていくことを考えた時に、正当な事でしょうか。例えば、今70歳の理事長さん。50年後の自身のマンションの管理の先頭に立ち続けられるのでしょうか?これを突いた時には、少々不機嫌に、「その時は、その時の組合員達のいいようにやればいいんだ!」と返ってくることがほとんどです。

愚痴をこぼしてしまいましたが…。
これだけ見れば、問題点の所在と解決方法、見えてきませんか?

 
特に後の2例、「他のマンション(団地)では、真似をするような成功例はない」と「自分たちのマンション(団地)の話を外でしたら価値が下がる」、これは悪徳不動産業者の喜ぶ話です。高経年マンションの再生検討事例、相当積み上がってきています。成功事例は確かに少ないです、そしてその継続が出来ているところも本当に限られています。そう、そしてその事例は到底真似ができないほど高尚ですね。一方で、他のマンション(団地)との交流を持たないところでは、実は、同じような課題が解決できないで再生検討が行き詰っています。

そうです。大事なことは、「できるだけ多くの、いわば失敗談を集め、そして、同じことはやらない、少なくとも自分のマンション(団地)に適合した方法(取り組み内容)に変えて挑戦してみる事」ですね。そう、失敗談を交換できる、相当深い交流ができるマンション(団地)がないと実現できません。
「情報を隠したらマンション価値が維持できる?」冷静に考えれば、本当にばかげた論理ですよね。マンションの価値(値段)が上がっていくのは、簡単に言えば、そのマンション(団地)の部屋を買いたい人が、売りたい人を上回っている時ですよね。そして、「買いたい」人は多くがマンション(団地)の外の人ですね。いいことも悪いことも含め、情報がないマンション(団地)を進んで買おうという殊勝な人たちが本当に居るのでしょうか。住宅が余っている現代、少なくとも「そこに住みたい人」は手を挙げませんね。

そうです「情報を発信できるマンション(団地)」しか、これからは価値を維持し、そして引き上げていけないはずです。そうです、それも、ネガティブ情報を上手に脚色でき、それをもメリットに変えられるような(もちろん自虐ネタにも見えますが)所でないといけません。高経年マンションには実は強い味方がいます(使い方ですが)。

そうです、そのマンション(団地)で育ち独立していく若い世代の住人達(元の住人を含む)です。彼らに、ちゃんとマンションの管理手法を伝授しておけば、本当にそのマンション(団地)の強力なセールスマンになってくれるのです。

現在の高齢の区分所有者が、そのバックのなるハード面を中心に精一杯維持とランクアップに努めていくことは欠かせないですが。それも「自分の生きている間」ではなく「30年後も時代の先を行く機能とデザインで」なのです。これがしっかり噛みあったマンション(団地)はきっとあと100年、200年と継続していけるでしょう。

今日はこの程度にして、続きは次回に書きます。

最近、給排水管設備の改修に関する研修会にいくつか参加してきました。

8月28日 第40回千葉市マンションセミナー
9月16日 千葉市マンション管理組合協議会
     第21回建築・設備問題研修会
そして昨日、マンションコミュニティ研究会 第63回勉強会

どれも、マンションを適正に維持していくためには、専有部分の配管や給湯管も含めて、マンションの設備の改修を適正に行うことが鍵になる。と言うことでした。

「お金がないから」「合意が難しいから」、ひどい場合は「外から見えないから」…、自分が役員の時は黙って何もしないで、とりあえず次の役員に送っておけばいい。

これが何年も続いて先送りさせている管理組合も多くあるように感じます。
間違いのないこと、配管の劣化は止まってくれません。そして追い込まれた時にはもはや手に負えなくなってしまう。なんだか「癌」のようですね。

そう、早期発見、早期対応が、結果的にコストも最少になり、マンションの将来につながります。そして、「専有部」、「個々の区分所有者が勝手にやるからいい」では、常識的に半分以上の区分所有者が手を付けず、事故頻発から資産価値の低下につながってしまいます。まあ、わかって管理しているマンションの結果であれば自業自得と言えますが、多数の管理組合は、そして区分所有者は、ほぼ意識していないようです。

「千葉市セミナー」では、給排水管の更新工事を行う時の、特に専有部工事を伴う時の留意事項や、管理組合としての合意形成や、工事の進め方。(講師は藤木亮介先生、マンション改修設計の実務では最先端の取り組みをされています)

「建築・設備問題研修会」では、マンションが計画的に修繕工事、再生工事を行っていくうえでの、計画への折り込み方、必要となる工事(工法等)の選択、そしてその工事の準備(合意)のこと、これらについて調査事例を通じた詳しい解説(講師は山本育三先生、言わずと知れた、マンションのハードの問題に長くかかわられた、長年実務面での第一線に立たれている研究家、建築家です)
 
「コミ研勉強会」では、築30年未満のマンションの設備改修の課題について。素材の管材の進化の過渡期にあったマンションの留意事項と、工事を行う上での諸注意事項。(講師は町田信男先生、数少ない実務に詳しい設備建築士です)

マンションの長寿命化を成功させるには、鍵は給排水管を中心とした設備をどう適正に行っていくか、そしてそれは共用管だけではなく専有部内の配管(通常ここまでしか目がいかないですが)、そして、それにつながるキッチン、バス、トイレの設備を、どうきちんとリニューアルしていけるかにあります。共用管と一体の工事ができる専有管の改修は、管理組合の適正な計画的な取組が必要ですが、専有部の機器になると区分所有者の皆さんへの動機づけが必要になってきます。そして、十分すぎるほどの準備の時間も必要です。

「管理組合は専有部には触れられない」正しいようですが、実は、専有部に対しては「必要で区分所有者にとって有利になり得る情報をきっちりと提供すること」が重要になります。そして、選択をしてもらうことです。専有部でも劣化対応を行わなければ事故につながるものはできるだけ一体で、管理組合が主導して行われなければなりませんが、やはり各区分所有者の権利と利益、そして選択の自由は、他の区分所有者に損害を与えない限りにおいて尊重されなければなりません。
大変ですが、黙って先送りしていてすむことではありませんね。

マンション管理では、大事なのはいつでも相談に乗ってもらえる専門家(できれば外部がいいですね)がいる事です。でも、誰がいいのかわからない、こんな時には近くのマンション管理士に、というのも選択肢です。

高経年マンションの給排水管等の設備の問題、結構大変です。

専有部、共有部の区分と取り扱い、専有部の室内立入工事の問題、素材と工法等の工事実施時のことに視点が向きがちですが、マンションを長持ちさせるには、マンションごとのビジョンを持った計画的な対応が必要になります。この工事もついコスト重視で「現状維持」とか「最低限」とかを考えることが多いのですが、住環境に直接かかわる問題なので、やはり現在の生活に会った最適な環境を作る必要があり「ランクアップ」は必須であると思われます。そうしないと、長期的に見れば人が住まなくなり、価値も大きく下がってします。

また、マンションの修繕工事、共有部分だけをよくしても、各戸の専有部分もちゃんと改修できなければ80年マンション、100年マンションにはなりません。高齢者のわがまま「自分の生きているうちだけ」は絶対許してはいけないのです。どう考えていくべきか…。

ということで、千葉市でのセミナーのご案内です。

9月16日(日) 13:30~16:30 千葉市中央コミュニティセンターにて第21回建築・設備問題研修会(千葉市マンション管理組合協議会主催)

テーマ:マンション長寿命化のため、配管、配線類更新の考え方と管理組合の進め方
講 師:関東学院大学名誉教授 山本 育三先生
参加費(資料代):300円 (非会員のみ)です。

参加しております日本マンション学会の研究委員会で日頃からお世話になっております。
山本育三先生の貴重なお話をうかがうことができると思います。(本研修会では企画、運営にかかわっております。よろしくお願いします)。