マンション管理士はマンション住民や管理組合側に近い立場で、適切な業務を行います。
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やっと手に入れたマンション、周りから羨望の的?でも、「住み心地は?」「管理費用は?」どうなのか不安ですね。「区分所有?」よくわからないけど… という声も。
規約や生活ルール、負担する費用の水準は、民法や区分所有法に反しない限り、区分所有者全員で話し合って決めていくものなのです。法律で事細かく決まっているものではありません。販売条件で決まり固定されるものでもありません(初期設定はありますが)。ましてや管理会社が自由に決めていくものでもないのです。「マンション管理」と表現されますが、区分所有者全員がそのマンションの住居としての価値に興味を持って、話し合うルールを作り、決めていくことが必要なのです。
分譲マンションに住む以上、積極的に「マンション管理」に参加して、他の区民所有者の方と意見の交換をしていかないと、希望する環境や費用負担を実現していくことはできません。そう、大切な「財産」なのですから。
マンションを持って、生活するためには戸建住戸と比べてかなり大きな費用がかかる。よく言われますし、心配ですね。
でも、そうでしょうか。
多額の管理費や修繕積立金、戸建住宅にはないルールです。確かにエレベーターや機械式駐車場など戸建住宅にはない設備があり、維持には当然費用がかかります。電気や水道の共有の設備もありますが、これも戸建住宅では一般に自治体や電力会社などが負担してくれます。ただ、これらの費用は小規模マンションでない限り、1戸当たりの費用はそれほど大きくならないと思います。立派なパーティールームや居住者用のカフェなど、これは、戸建にはないステータスですから、まあ、費用は仕方ないでしょう。
修繕積立金は?
マンションでは各戸の都合でメンテナンスをすることはできないので、あらかじめ積み立てていくのが一般的ですが、外壁などのメンテナンスは戸建住宅でも避けられないものです。そして、費用は必ず後でまとめてかかってきます。
ある意味マンションの方が安心なのかもしれません。
2018年6月15日に住宅宿泊事業法が施行され、民泊事業がスタートしました。
いろいろトラブルが話題となるマンションの「民泊」ですが、管理規約で「住宅宿泊事業」を禁止にしたから大丈夫、もう対策は終わりと考えていませんか?
もしそうなら危険です。
マンションの区分所有者が自宅に外来者(知人が多いですが)を泊める事を多分規制することはできないでしょう。禁止できるのは「事業」が限定で明確に対価を受けている場合だけのようです。一方でトラブルを起こしているのは自称「トモダチ」の外国人が多いそうです。多くは禁止の対象外になるとも言われています。
民泊を禁止するには「規約を改正すれば民泊問題は大丈夫」そう管理会社に言われたので…。
よく耳にします。まずとりあえずはそうですが、その先はマンションでの十分な検討と、十分な広報、そして合意を得た適切な規制をしなければ、困るのは「住人」なのです。
先月の大阪での地震に続き、今回は西日本各地の非常に広範な大雨による災害が発生しました。特に大雨の被害については土砂崩れや大規模な水害で200名以上の方が亡くなられています。
マンションについて、東日本大震災や熊本地震の被害は大きかったようだが、今回の災害ではあまり被害があったと聞かないので関係はない、とは考えないでください。確かに、全壊、半壊になった建物はないですし、建物の要因で亡くなられた方もおられないようです。げれども、広範囲で、電気、ガス、水道などのライフラインが途絶えていますし、交通の問題も発生しています。
どちらもたまたまマンションが少ない地域での災害であっただけで、大阪ではエレベーターの停止による閉じ込め事故の発生もいくつか聞こえていますし、豪雨でも、停電や建物の浸水による機器の停止も起こっています。
もし、これらの災害が都市の中心部で、あるいはご自身のマンションを含む地域で起こったら、大丈夫かどうか、どう対応するのか、よく考えておいていただきたいと思います。
今、多くのマンションが「空駐車場」の問題を抱えています。少し前はどう駐車場を増やすかが大きな課題だったのに。そして、機械式駐車場、これもせっかく台数を確保しているのに、出し入れをしにくい区画は人気がなく空いたまま。駐車料金も安く設定してあって、結果維持費も賄えていない。駐車料金は管理費に組み入れられどこかに使われてしまっている。維持費はどうすれば?更に課題は、それを輪番で回ってきた理事を引き受けたら知らされた。こういう話もよく耳にします。
この話、管理会社に聞いても多分よい答えはないでしょう。管理組合の中で話し合っても、おそらくらちはあかないことが多くあります。こんな時に頼りにできるのは…。そう、マンションの外にいる他の管理組合の経験者、専門家、など。「マンションの問題を外で話すと価値が下がる」言う人は多くいますが、実態は逆です。でもマネではでは上手くいかないことも多々あります。自分のマンション性に合った対応を考える事が大切です。
新しく入居した新築マンション、もう何年も住んでいる少し古くなったマンション。大切なことは「住みごこちのよさ」ですね。これは専有部住戸内だけのことではないでしょう。エントランス、エレベーター、廊下、もちろん設備だけではないでしょう。
では「管理」とは?
管理員の人が共用部の清掃をし、ごみ置き場の片付けをし、窓口で出納などをやっている。そこは契約している管理会社が仕切ることだから。
それで大丈夫ですか?
考えて下さい。マンションは誰のものですか。
そう、「ホテル」ではありません。管理会社が所有している施設に泊めてもらっているわけでもありません。お金を払っているのに不思議と思うかもしれませんが。でも区分所有者がお金を払っている先は「管理組合」であって管理会社ではありません。マンション自体は区分所有者全員の私有の財産で、全員で「管理組合」を組織して(いやでも法律でできています)そこで「管理」の方針を決め、そして管理会社に依頼するサービス内容などを「決めて」委託、管理組合から管理会社にその費用を支払っているのです。そう、マンションに快適に暮らすには、「管理」に積極的に参加することが欠かせません。
「マンションって面倒な近所付き合いはいらない」「困ったことがあれば管理員さんが何とかしてくれる」よく言われますし、実際にそう考えておられる方も多くいます。
たとえマンション内に知り合いはいなくても、「ネットでつながる友人は多いし」「インスタグラムの“いいね!”は集まるし」と、確かに何もなければ孤立感はないかもしれません。賃借で住まれている方はある意味で正解という面もありますが、区分所有者ではどうでしょうか。
たとえば災害があった時、遠くのネットの友達は…。
「無事です」だけは拡散してもらえるとは思います。しかし、ケガをしたら、室内が散らかってしまったら、そう、自分の存在自体が無視されてしまいます。被災状況の情報も、多分正確には伝わらないでしょう。生きていけますか?
そうです。近所の人と適当な距離感でつながりがあり、管理組合や町内会とも十分な接点があること。「生活」していくには必須だと思います。コミュニティ不要のグループは存在しません。近くで心地よいコミュニティができていること、これが生活の基本です。